DEAD EMPEROR 【真田弦一郎/男主】 (ページ17)

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｢……｣

数十分後。切原たちは、ゲーム機を握ったまま呆気にとられていた。

｢あっ、勝っちゃった。やったー！｣

｢……なんだあれ……すげー強え……この人……｣

｢なんだよあの技、俺出したことねーよ……｣

｢す、すごいっすね先輩。｣

｢んー？なんのなんの、それほどでもないってー！でも君たちも強かったじゃない。特に……えーと、赤也くん？かな？｣

Aが指をさしたキャラクターは、切原のものだった。

｢え、俺……？｣

｢お、君か！いやー君すごく強いね！ね、今度対戦しない？｣

｢え、あ、はあ……えーと……よく仁王先輩とかと一緒にいる人……っすよね？｣

｢ん？雅治たちを知ってんの？……あ、もしかして雅治とブン太が話してた赤也って、君か！｣

その時。扉の向こうから、聞き慣れた声がした。

｢……おーい、２年の教室で何してんだよぃA。｣

｢あ、ブン太！雅治！……じゃ、友達来たから僕もう行くね！｣

｢え！？あの……｣

｢僕、3年B組の雲井A！また一緒にゲームやろうな！それじゃ！｣

Aはそう言って、ぱたぱたと教室を出ていった。

切原がAの元を頻繁に訪れるようになるのは、翌日からのこと。