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■１０■ ページ12
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次の日から、Aの周りに集まる輪の中に丸井の姿はあった。
次はこの店へ行こうとか、どこの店のなんとかって料理が美味しいとか、お前たちは女子かと突っ込みたくなるほどの会話ばかり。
それを、離れた場所で仁王は見ていた。
｢……｣
(……ブンちゃん。いつの間に、あいつと。参謀に言われたこと、忘れたんか……)
奴には、気をつけなくてはいけない。柳の忠告は未だ、仁王の中に渦巻いていた。
(……ちょいとはったりをかけてみるかのう。)
得意の詐欺で、奴にカマをかけて。
痛い目を見せると同時に、丸井に近づかせないようにしよう。
あれほど柳が言うのだから、ただの人間なんかじゃない。
……少なからずとも、仁王はそう過信していた。
(反省しんしゃい。雲井A。)
それもこれも、すべてはお前をテニス部に近づかせないため。
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年9月10日 3時
