Broken my heart ページ45
*
「昨日の今日でこういうのも何だと思うが……」
私はじっと彼の顔を見た。つい「はあ……」と気の抜けた返事が出そうになった。
「……悪ィが、仕事以外で俺の部屋には来ないくれ」
「………………土方さんってたまに頭が……ねぇ……」
「ねぇ……じゃねーよ。こちとら大真面目だ」
私は彼の言うことがイマイチ分からず、今度こそ「はあ……」と曖昧な返事をした。
すると、土方さんは「ああークソッ」と言うと、かなり渋々口を割った。
「……総悟に、写真を撮られた」
「……沖田くんに?なんの……」
そこで私はピンときた。今までの話から察するに……
「……私が土方さんの部屋に入るところ、とか?」
「…………あぁ」
彼は、さも苦虫を噛むような顔をして言った。私はぐっと言葉に詰まると同時に、迷惑をかけて申し訳ないと自責の念が湧いた。
「……今後も、こういうことがあると、指揮が下がる可能性がある」
「………わかりました」
「…………」
私はスッと立ち上がり、早く立ち去ろうと、彼に背を向けた。
────……眼に薄い膜を張るこの液体が、溢れてしまわない内に。
「ご迷惑かけて、ごめんなさい」
障子へと手を掛ける。指先が冷たく、手が震えた。
……ああ、どうやら二度目の恋も叶わないらしい。
「……失礼、しました」
土方さんの、部屋を出た。
纏わりつく熱気が、私を嘲笑っているような気がし、私は自嘲的に嗤った。
キリキリと胸が締め付けられて、痛い。
……もう、やだよ。
なんで私ばっかり。
────神様は、理不尽だ。
88人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暇愛*(プロフ) - 狗冰さん» ごめんなさい、レス押すのを忘れてました…… (2019年7月15日 13時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - ありがとうございます!稚拙な作品ですが、よろしくお願いします! (2019年7月14日 20時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - 面白そうです!更新ファイト! (2019年7月14日 19時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:暇愛* | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月11日 2時