夏の風物詩 ページ29
【土方さんside】
『本日は、お日柄も良く…』
「頭の次は目ェイカれたか。外見てみろ、雨降ってんぞ」
『….それ言っちゃう?』
Aが入って来て早数分。最初は、何故か挙動不審だったソイツだが、大分緊張が溶けた様で、始めに比べ、姿勢を崩している。
(__つっても、俺も言えた口じゃねェな。)
断じてやましい気持ちがあった訳では無いが、先程、自分でも理解が出来ない行動をしてしまった為、初め、少し何時もとは違う受け答えをしてしまった。
…それにしても、何故あの時、引き留める様な言動をしてしまったのか。
……その正体は着々と姿を大きくさせてはいるが、見てはいけない様な気がして、その感情に静かに蓋をした。
『土方さーん、なんか面白い話無いですか〜?』
「オイ、人の部屋で寝転ぶな。……面白いかどうかは別として、近頃、屯所内で奇妙な噂が流れてるな」
呟く様に言ったソレは、Aの耳に届いた様で、寝転んだまま、
『奇妙な噂ァ?』
と間延びした、だらしのない返答が返って来る。
「…あァ。どうやら、お前が入って少し経った位ェから、夜廊下で出るってんで、隊士達がビビっていけねェ」
そう言うと、突然がばっと起き上がり、この世のものだと思えない程目を輝かせ、
『出るって何!?幽霊!?どんなのが何時何処で!?』
「……っオイ、近ェ。」
顔をぐっと近づけ、俺の肩を掴んでいるソイツを一喝すると、我に返った様に、ハッとし、めんごめんご、と言いながら離れて行く。
「…さっきも言ったろ。場所は屯所内の廊下、時間帯は夜の10時から12時辺り。
…何でも、ソイツも煙草を吹かしてるみてェで、俺じゃねェかと疑って奴もいるらしいんだと。…ったく、面倒極まりねェ。」
煙草を吹かしながら、愚痴る様に言うと、あー、と声を漏らしながら、言いにくそうに
『…それ私かもしんないです。…ははっ。』
「………は?」
自分がソレの正体かもしれねェとぬかしたA。
…………………いや、は?
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暇愛*(プロフ) - 狗冰さん» ごめんなさい、レス押すのを忘れてました…… (2019年7月15日 13時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
暇愛*(プロフ) - ありがとうございます!稚拙な作品ですが、よろしくお願いします! (2019年7月14日 20時) (レス) id: 6dbb02dd11 (このIDを非表示/違反報告)
狗冰(プロフ) - 面白そうです!更新ファイト! (2019年7月14日 19時) (レス) id: aa5a4ed97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇愛* | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月11日 2時