理由などない ページ34
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火山頭の交戦は終始五条優勢のまま終わったが、
謎の呪霊に阻まれて、始末しそこねた。
途中で連れてこられた虎杖が土下座している中、
五条は顎を触りながら笑っていた。
五条「このレベルの呪霊が徒党と組んでいるのか…楽しくなってきたねぇ」
呪いの塊である呪霊にも仲間意識があるのか__と。
五条「悠仁、っていうか皆にはアレに勝てる位、強くなって欲しいんだよね。」
虎杖「あ、あれにかぁ」
五条「目標は具体的なほうがいいでしょ。
ちょっと予定を早めてこれからもひと月、映画を見て僕と戦ってを繰り返す____Aにも手伝ってもらうことにしようかな。」
虎杖「先生とAさん?!」
五条「あの子は僕と違うタイプだから、かなり良い訓練になると思うよ。」
虎杖とAは、
宿儺の生得領域で会って以来、
まともに会話をしていない。
虎杖「…Aさんって先生ぐらい強い?」
五条「ん?いや、さすがに僕のほうが強い。」
__祓ったことあるし。
と、喉から出てきそうになった言葉を飲み込んだ。
五条「でも、さっきの火山頭よりは強いよ。」
虎杖「まじ!?」
五条「まじ。Aなら瞬殺だろうね、ほらあの子不毛な会話好きじゃないから。」
虎杖「1ヶ月後俺生きてるかなぁ…」
「大丈夫大丈夫」と、五条は笑っていた。
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その後、夜蛾との話し合いを終えれば、
既に時刻は22:00を過ぎていた。
五条「(もっと早くするつもりだったのに…)」
と、女子寮にそっと入り、Aの部屋に入る。
彼女は室内のカーテンはおろか、窓も空きっぱなしで、すやすやと、ベッドの上で寝ていた。
ベッドの端に座って、名前を呼ぶと、
うっすら目を開けた。
『五条か…』
五条「遅くなっちゃった、ごめんね。」
Aは何時か尋ねて、『そうか』と言うと、息を吐き、手の甲を額に乗せる。
すると、五条は本能のままに彼女を抱きしめた。
理由はない、ただ抱きしめたかった。
『なにをしている………おい…』
彼女の姿も、形も、肌も、髪も、匂いも、
彼女が吐く息すらも、
何もかもが愛おしくてたまらないのだ。
五条「…お前のカタチを確かめてんの。」
__愛ほど歪んだ呪いはない。
と、五条は自身が乙骨に吐いた言葉を思い出す。
もう彼女を失いたくないという恐れが、
更にその呪いを大きくさせてしまうのだ。
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.(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます。お待たせしてしまって申し訳ございません。これからもよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - ツバキさん» 読んでくださり、ありがとうございます。これからも少しずつ更新していくのでよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます。更新は遅くなりがちですが、これからもよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) @page37 id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!次の更新楽しみにしてます!!! (9月24日 15時) (レス) @page37 id: 804790a45e (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました!!最高です更新楽しみにしてます! (9月19日 21時) (レス) @page37 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:. | 作成日時:2022年8月30日 22時