夜に堕ちる ページ32
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Aside
『(………疲れた)』
結局、午後3時ぐらいまで
特訓に付き合わされ、逃げるように寮へ戻った。
ボテンっと、ベッドに身体を倒す。
『(過労だ…)』
そして、眠気が襲ってきた。
今日は宿儺に呼び出されなきゃいいけど、
と思いながら、目を閉じた。
「____」
ん…………誰だ…?
「_____A」
誰かの声がする。
「 A 」
重たい瞼を開けたその先には、
白髪の男が私の目の前にいた。
『五条…か…』
五条「遅くなっちゃった、ごめんね。」
『…』
カーテンも閉めずに寝たようで、
外は既に真っ暗で、
夜になってしまったようだ。
『今、…何時だ?』
五条「今は夜の10時。」
『そうか』
私は7時間も寝ていたらしい。
夢も見ずに、
深い眠りについていたようだ。
『…はぁ』
息を吐き、手の甲を額に乗せる。
じわりと滲み出るような汗で、
額と甲がぴたりとくっついていた。
『___』
すると、
五条は私に覆いかぶさるように
上に乗っかってきた。
『五条』
五条「ん?」
『なにをしている………おい…』
ごそごそと、
マットと私の背の間に腕を無理矢理入れ込んで、
ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
『ん…』
少し窮屈で鼻から息が漏れてしまう。
五条「…お前のカタチを確かめてんの。」
『…』
だからといって、
こんな潰すほどの勢いで抱きしめるのは
さすがに馬鹿だと思う。
五条「こんなにちっせぇのに…そりゃ耐えれなくなるよな」
だけど、そんなこと言えなかった。
『どうにかなる。…たぶん』
五条「たぶんかよ、…くそ。」
五条は手を私の顔横について起き上がった。
『…』
私が手を伸ばして、
五条の目に巻かれている布を、
するり、と解けば、
空の色をした目が私を見ている。
『(___まつげまで白い…)』
頬に手を添えると、
縋り付くように、擦られ、
手のひらに唇を当てられた。
五条「俺はもう、なに1つとして失いたくない。」
あぁ、今の五条は
あまりにも私の死を恐れ過ぎている。
『…そんなに好きか、私のことが』
五条「このまま泥々に溶けて、混ざって、同化したくなるぐらい。」
『随分とまぁ___』
重たい呪いだ。
そう言い終わる前に、
五条に口を塞がれた。
『__』
そして、そのまま夜に堕ちていった。
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.(プロフ) - レナさん» コメントありがとうございます。お待たせしてしまって申し訳ございません。これからもよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - ツバキさん» 読んでくださり、ありがとうございます。これからも少しずつ更新していくのでよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
.(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます。更新は遅くなりがちですが、これからもよろしくお願いします🙇♀️ (10月4日 22時) (レス) @page37 id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!次の更新楽しみにしてます!!! (9月24日 15時) (レス) @page37 id: 804790a45e (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました!!最高です更新楽しみにしてます! (9月19日 21時) (レス) @page37 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:. | 作成日時:2022年8月30日 22時