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電波越しの優しい声 ページ6








2年にいじられる伏黒恵。

本人は嫌かもしれない。
だけど真希、パンダ、棘にしてみれば、
伏黒恵という反抗的な後輩は
かわいいに決まっている。



パンダにいじられ続け、
表情を歪める伏黒を見て笑っていると、

棘「めんたいこ」

『?』

棘が携帯を渡してきた。

真希「憂太と繋がったのか?」

棘「しゃけしゃけ」

どうやら過保護な特級呪術師と久しぶりに会話ができるらしかった。



乙骨「狗巻くん?もしもし?」

『…』

電話越しであるが、乙骨の声は変わらない。
男にしては少し高く、優しい口調。


乙骨「も、もしもし?えっ?繋がってない?
もしもーーし」

『繋がってる』

乙骨「よかった〜……」


私の声を聞くと、いきなり乙骨は黙り込んだ。


乙骨「……え?」

『え?』

乙骨「えぇ、えっ、えぇっ?!?!?!?!」

こいつ、さっきから“え”しか言ってない。




乙骨「…Aさん…?」

『そうだ。』

乙骨「か、帰ってきてたのーーーーッ?!?!?!」


大音量が耳元で流れて、携帯から耳を離した。
それを見て、皆はケラケラと笑っていた。



乙骨「…いつ帰ってきたの?」

『さっき』

乙骨「さ、さっき?!?!」

『そうだ。
帰ってきたということを早く教えないと、また過保護な特級呪術師が毎日のように棘やパンダに電話するだろうと思ってね』

乙骨「ハッ…そ、それは」

『…というわけで、帰ってきたから。じゃあ____』



通話終了ボタンを押そうとすれば、
「待って待って待って待って!!切らないで!」
と、電話越しに叫ばれる。




『なんだ?』

乙骨「その、…なんていうか、久しぶりにさ」

『…』

乙骨「声が聞けてすごく嬉しいんだ。」

『…』



この男はやはりズルい男だ。
ちゃんと言葉にするし、その声はあまりにも優しい。



乙骨「また電話してもいいかな?」

『携帯持ってないぞ、私は』

乙骨「僕が五条先生に頼んでおくよ」

『……』

乙骨「なにかあったらすぐに連絡してね。」



と、乙骨は電話を切った。
私はそのまま棘に携帯を返した。



パンダ「久しぶりの憂太、どうだった?」

『久しぶりって感じしなかったよ』


そりゃあそうだ。
私とみんなの時間軸は違う。
皆にとって一ヶ月は長いかもしれないが、
私にとって一ヶ月はあまりにも短いんだ。


『でもまぁ…元気そうで良かった。』


皆が元気で、
いつもどおりであることが
私の幸せかもしれない。

お手合わせ願います→←過保護な特級呪術師たち



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 伏黒恵
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すずのあい(プロフ) - どうも特級呪霊ですが凄く素敵で、続きがあるのがとても嬉しいです。ありがとうございます。作者様の文章とても好きです、応援してます。 (2023年3月22日 4時) (レス) id: 9d705cdcb3 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - このお話はどうも特級呪霊です。の続きですか?同じ主人公ですか? (2022年12月12日 19時) (レス) id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 杞鞠さん» コメントありがとうございます。私はとしまえんに行ったことがなく、閉園する前にあのメリーゴーランドに乗ってみたかったのでお話に出させて頂きました。私の憧れと杞鞠様の思い出が一致したようでとても嬉しく思います。 (2022年10月9日 12時) (レス) id: 2200f9fcc5 (このIDを非表示/違反報告)
杞鞠(プロフ) - コメント失礼します。【としまえん】が出てきて、つい懐かしく感じコメント入れてしまいました。思入れのある場所もお話に組み込まれて嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年9月24日 3時) (レス) @page36 id: 6ec4929f5b (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - あむさん» ありがとうございます!そのようなご感想を聞けてとても嬉しいです☺️これからもよろしくおねがいします! (2022年8月19日 20時) (レス) id: 7f6e3c2139 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:0000 | 作成日時:2022年5月14日 23時

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