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貴方の声に触れたい ページ24

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私は医務室で寝ていた。
久しぶりに夢を見ずに寝れた気がして、
頭の中はスッキリしていた。

家入硝子にお礼を言って、医務室を出る。

日は落ちかけていた。
今日、一日を棒に振ってしまった。




”大丈夫。…不安にならなくていい。
もうその男はこの世にいないから。”

やっぱり、五条は口元に傷がある男を知っていた。
その男と伏黒が似ていることも理解していた。
だから、きっと伏黒とあの男が
何らかの繋がりがあることをわかっているんだ。





高専内の自動販売機横を通り過ぎるとき、公衆電話が目に入った。






それを手にとって、電話をかける。
どうやら私はかなりメンタルをやられているらしかった。



【はい、もしもし?】

ストンと、モヤモヤしていた心が落ちて、消える。
声を聞いただけで落ち着いてしまう。




【もしも…し?】

『乙骨』

【えぇッ?!?!Aさん?!
え、Aさんから電話だなんて初めてじゃない?!
えっ、えっ!……嬉しすぎるよ…!】

変わらないその声と態度。
私が望んでいるものを出してくれる。




『そんなに嬉しい?』

【そりゃあ嬉しいに決まってるじゃん。】

異国に一人でいるからか、
私の声だけでも嬉しくなるらしい。




【ねぇ】

『…』

【何かあったの?声が違うよ】

乙骨の人誑しなところは相変わらずで、
人の声のトーンですぐに気づかれる。




『乙骨と話したかっただけだ。』

【…】

『そしたら、少しだけ落ち着くから。』

そういうと、乙骨は電話の向こうでため息をついた。
私は五条とは違う何かを乙骨に求めている。
非日常的な安らかな空間を、彼は与えてくれるんだ。




【あぁ、今すぐにでも帰りたい。】

【Aさんに、会いたい。】

まるで遠距離恋愛をしているみたいな気分だ。






『…私も、久しぶりに乙骨に会いたい。』

【!!!】

【待って!!!録音したい!!
もう一回言ってくれない??】

『無理。』



公衆電話を見て、咄嗟に乙骨に電話をかけるほど、
私は乙骨に対して特別な感情があったんだと思う。

初めて過去を話したとき、乙骨は私のために泣いてくれた。




『…乙骨。また、電話する。じゃあね。』

慰める言葉が欲しかったわけじゃない。
ただ、乙骨の声が聞きたかった。



【うん。】

【僕もAさんの声聞きたいから、電話してほしい。
じゃあね、また。切るね。】

『…』


これだから乙骨憂太は、人誑しって言われるんだ。

予測不可能発言→←過去は不変であり事実



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すずのあい(プロフ) - どうも特級呪霊ですが凄く素敵で、続きがあるのがとても嬉しいです。ありがとうございます。作者様の文章とても好きです、応援してます。 (2023年3月22日 4時) (レス) id: 9d705cdcb3 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - このお話はどうも特級呪霊です。の続きですか?同じ主人公ですか? (2022年12月12日 19時) (レス) id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 杞鞠さん» コメントありがとうございます。私はとしまえんに行ったことがなく、閉園する前にあのメリーゴーランドに乗ってみたかったのでお話に出させて頂きました。私の憧れと杞鞠様の思い出が一致したようでとても嬉しく思います。 (2022年10月9日 12時) (レス) id: 2200f9fcc5 (このIDを非表示/違反報告)
杞鞠(プロフ) - コメント失礼します。【としまえん】が出てきて、つい懐かしく感じコメント入れてしまいました。思入れのある場所もお話に組み込まれて嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年9月24日 3時) (レス) @page36 id: 6ec4929f5b (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - あむさん» ありがとうございます!そのようなご感想を聞けてとても嬉しいです☺️これからもよろしくおねがいします! (2022年8月19日 20時) (レス) id: 7f6e3c2139 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:0000 | 作成日時:2022年5月14日 23時

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