嘘も真も、紙一重 ページ19
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高専に戻って、すぐに家入硝子の治療を受けた。
反転術式でスーーッと傷が癒えていく。
家入「今回は下手くそな反転術式しなかったんだな」
『な、』
伏黒「…?」
以前、家入硝子に治療してもらったのは、私が高専に入った頃だった。里香ちゃんに襲われて、自分で反転術式したけどだめで結局家入硝子に治してもらったんだった。
『…呪力が足りなかった。』
家入「…強かったのか?」
『強かった。』
家入「…そう」
以前は家入硝子を避けていたが、今は少しだけ喋れるようになった。淡々としたしているからそれはそれでとてもありがたかったし、九州派遣から帰ったときお菓子もくれたし、性格も合いそうな気がする。
伏黒「Aさん、反転術式もできるんですか」
隣で一緒に治療を受けていた伏黒がそういった。
『一応』
家入「クソ下手だがな」
『…』
むっ、と家入の方を見ると、少し笑って頭を撫でられた。
家入「怒るな、傷が開くぞ」
と、言われた。家入硝子は私を年下みたいに扱う。
実際は私のほうが年上なのに。
『子供扱い?』
家入「私にとっては伏黒もAも変わらない子供だ。」
伏黒「?」
治療が済んで、寮に戻ることにした。
伏黒も負傷したし、私も久しぶりに負傷した。
そこそこの任務をこなしたんだ。
休んでも文句は言われないだろう。
伏黒「Aさん」
『何?』
伏黒「…特訓してくれませんか?」
高専の廊下で伏黒は頼んできた。
『それは無理』
伏黒「理由はなんですか?俺が弱いからですか?」
足早に去ろうとする私を追いかける。
『違う。
まず…自分の実力を相対的に判断するんじゃない。
女々しく見える。』
伏黒「…じゃあ、手合わせしてくれるだけでいいです。」
話を聞いてるのか、こいつは。
あまりにしつこいから、私は足を止めた。
『私は先生じゃない。』
伏黒「…」
『それに私は_____________』
つい最近まで、呪術師じゃなかったんだ。
なんて、言えるわけがない。
『私は、人に教えることがすごく苦手だ。』
なぜ私が高専に入ったのか、隠したいわけじゃない。
だけど、伏黒には未だ言えなかった。
『フィジカル面なら、パンダや真希に教えてもらったらいい。呪術に関しては五条悟に聞けばいい。私から教えれることはない。』
そう言うと、伏黒はそれ以上は聞いてこなかった。
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すずのあい(プロフ) - どうも特級呪霊ですが凄く素敵で、続きがあるのがとても嬉しいです。ありがとうございます。作者様の文章とても好きです、応援してます。 (2023年3月22日 4時) (レス) id: 9d705cdcb3 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - このお話はどうも特級呪霊です。の続きですか?同じ主人公ですか? (2022年12月12日 19時) (レス) id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - 杞鞠さん» コメントありがとうございます。私はとしまえんに行ったことがなく、閉園する前にあのメリーゴーランドに乗ってみたかったのでお話に出させて頂きました。私の憧れと杞鞠様の思い出が一致したようでとても嬉しく思います。 (2022年10月9日 12時) (レス) id: 2200f9fcc5 (このIDを非表示/違反報告)
杞鞠(プロフ) - コメント失礼します。【としまえん】が出てきて、つい懐かしく感じコメント入れてしまいました。思入れのある場所もお話に組み込まれて嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年9月24日 3時) (レス) @page36 id: 6ec4929f5b (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - あむさん» ありがとうございます!そのようなご感想を聞けてとても嬉しいです☺️これからもよろしくおねがいします! (2022年8月19日 20時) (レス) id: 7f6e3c2139 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:0000 | 作成日時:2022年5月14日 23時