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  …なんだ、可愛くねぇじゃん



入学して、
2年の先輩たちと出会ったあの日から数日、
五条悟の言葉がAの頭の中にぐるぐると駆け巡った。

あの有名な五条悟に何を言われるかと思ったら、
まさかそんな言葉だなんて誰も予想できないだろう。




『(…)』


今さら、沸々と湧いてくるものは、
困惑なのか、怒りなのかはわからない。



『(…いや、確かに可愛くないけどさッ゙)』

癪に障ったという表現が正しいだろう。



『(デリカシーなさすぎる)』

彼女は年頃の少女。

だが、たとえ何歳になっても、

「可愛くねぇじゃん」

という言葉は女性を傷つけるのは間違いない。


五条悟がいくら本心では
「こいつは綺麗。可愛くねぇ」
と、思っていたとしても、
可愛くないことには変わらない。





『はぁ………』




Aがため息をつくと、
「どうしたの?」と、灰原が気にかけた。






『…灰原。まだ出会って数日だけど、
私の話を面倒くさがらずに聞いてくれる?』


灰原「もちろん!面倒くさがらないよ!ねぇ七海!」


七海「内容によります」



たった数日でも、
彼らの素性がわかりはじめてきていた。

灰原は本当に裏表がなく真っ直ぐ。
七海は少し冷たいように見えるが
なんだかんだで相手をしてくれるのだ。




『この前五条先輩と初めて会ったんだけどさ、』


灰原「うんうん」

七海「…」

『会って早々に』

灰原「うん」

七海「…」

『可愛くねぇって言われた』

灰原「え"っ」

七海「は?」

『今、じわじわ心の傷が抉れてる…』





そう言いながら、
Aがわざとらしく胸を押さえて、




『あはは、直接だったからびっくりしてさ……』



と、笑うが、
七海はもちろん笑わず、
灰原は顔をしかめて、



灰原「六眼って、もしかして見えてる世界違うのかな?」

『詳細に毛穴まで見えちゃうとか?』

七海「それは違うでしょう」

灰原「いや、だって、
どこからどう見てもAは可愛いよ。」




彼女は灰原の言葉に目を丸くして、
そのあと少しだけ困ったようにして笑った。





『(灰原、やさしいなぁ………)』



そう思うAの横で、

七海はずっと彼女の横顔を見下ろしていた。

言→←春



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.(プロフ) - 白うささん» ありがとうございます!!🙇‍♀️🙇‍♀️どうしても書きたくて書き始めてしまいました!ちょこちょこ書いていきますので、どうぞよろしくお願いします☺️ (10月18日 0時) (レス) id: e37fca8de3 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - prologueからもう好きです!!南にたどり着くまでに、、、、最高ですね!!私本誌勢なので、これ見た瞬間ヒュッとなりました!!そこだけでもう感動です!! (10月17日 22時) (レス) @page1 id: 81609dea98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:. | 作成日時:2023年10月17日 21時

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