お見舞いのお隣さん ページ32
アパートの階段を上る途中、上から人が降りてくる気配がした。私は上を見上げる。
「あ、藤山さん……」
「んえ！？ Aさん！？」
マスクをした藤山さんが、階段を降りようとしていた。それよりも、どうして外に出ているのか。心なしか顔も赤い。思ったより酷いのだろうか。
「あ、え、大丈夫なんですか？」
「は、はいぃ……ちょっと何か買ってこようと、思って……」
? それなら、とスーパーの袋を差し出した。藤山さんは頭にハテナを浮かべたような顔をしていて、袋を受け取った。
「……え！ かかか、買ってきてくれたんです……！？」
「この前のお礼です。ゼリーとか入ってますよ」
この前告白されたというのに、私は案外普通に話せるんだな。もう少し、緊張するかと思っていた。藤山さんは、緊張しているっぽいけど。考えていたら、なんだか急に恥ずかしくなってきて。
「じゃ、じゃあ、お大事にです！」
「あ、ありがとう、ございます……」
駆け足で階段を上がり、自分の部屋へと帰った。玄関で思わず体制を崩す。いざ自覚すると緊張してしまう。でも、少しだけ話せたのが嬉しい。直るまで時間がかかりそうだけど、私の気持ちは尽きない。やっぱり藤山さんが好きなんだと更に自覚させられる。
「でも……」
伝えるまでが、長い。風邪の藤山さんに無理をさせられない。めちゃくちゃパニックになるだろう。藤山さんの風邪が治るまで、治るまで……。
「……動画、見ようかな」
彼は実況者。私のお隣さん。私の好きな人。玄関から立ち上がって、私は靴を脱いだ。彼の風邪が治るまで、今は我慢だ。
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たたた - これを探していたんですよ！？！？運命…！？愛読してます…ありがとうございます… (2021年10月20日 23時) (
レス) @page40 id: d4b8270ffa (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - なんだこの神作品は…質感が素晴らしすぎる (2021年10月5日 18時) (レス) @page42 id: 73805a2461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - 550さん» 修正しています。ありがとうございます (2020年8月30日 8時) (レス) id: 19a7823a34 (このIDを非表示/違反報告)
550 - 告白とお隣さんの所 相手の名前が表示されていないです。 (2020年8月30日 6時) (レス) id: 56664050fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷりん | 作成日時：2020年7月20日 12時
