肩を貸すお隣さん ページ2
案の定遅刻し、友人にはしこたま怒られた。そしてめちゃくちゃ飲まされた。そこまでしなくても今度奢るとかで許してほしかった。足元がふらついたままアパートに戻り、階段に着いた瞬間に限界が来た。
「すごく気持ち悪い……」
流石の私も２日連続で飲めば苦しいし気持ち悪い。階段の段差に腰をかけ、下を向いた。戻しはしないが、視界がぐらつく。部屋まであとちょっとなのにな。道端で倒れるよりはマシかもしれない。
「えっ……」
正面から声が聞こえたが、応えてやれる気にはなれない。下を向いたまま、私はゆっくりと呼吸をする。神様、もうたくさんお酒を飲みませんので許してください。あと定時で帰らせてください。
「酔っ払って、ます？」
「えっ、あ、お隣さん……」
「ここ、いたら邪魔なんで、肩貸します……」
立てますか、と声を掛けられる。お隣さんにすら心配されてる。お隣さんの肩を借りて立ち上がる。目眩がして倒れそうになるが、お隣さんが支えてくれた。なんか涙出てきた。
「ええ……泣いてるんです？ めんどくさ……」
「聞こえてますからね！ でも、ありがとうございます……」
なんとか部屋の前まで辿り着くと、私は鞄の中を漁って鍵を見つける。鍵を挿そうにも、手が震えてしまって上手くいかない。アル中か私は。酒を飲むのは本気で控えた方がよさそうだ。
「ちょっと……なんで俺がこんなこと……」
私の手から鍵を取って、代わりに鍵を挿し込んでくれた。お隣さん、愛想悪いとか思っててごめんね。お隣さん意外と親切。ありがとうお隣さん。
「開きました、よ。てか、全部聞こえてるし……」
「何か言いました……？ ありがとうございます……」
「なんも、ないっす。もう支えなくて、大丈夫ですよね？」
大丈夫です、と一声掛けて壁に手をついた。離れた瞬間に、さっとお隣さんは私から距離を取った。本当に仕方なく方を貸したという感じだ。ちょっと悲しい。
「ありがとうございました……おやすみなさい」
「あ、え……おやすみ、なさい」
おろおろしながら、お隣さんは部屋へと戻っていった。それを見届けた私は、部屋の中に引っ込んで、メイクを落としたら、倒れ込むように眠った。またアラームを掛け忘れて。
今思えば、この出来事が、お隣さんとの交流のきっかけだった。
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たたた - これを探していたんですよ！？！？運命…！？愛読してます…ありがとうございます… (2021年10月20日 23時) (
レス) @page40 id: d4b8270ffa (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - なんだこの神作品は…質感が素晴らしすぎる (2021年10月5日 18時) (レス) @page42 id: 73805a2461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - 550さん» 修正しています。ありがとうございます (2020年8月30日 8時) (レス) id: 19a7823a34 (このIDを非表示/違反報告)
550 - 告白とお隣さんの所 相手の名前が表示されていないです。 (2020年8月30日 6時) (レス) id: 56664050fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷりん | 作成日時：2020年7月20日 12時
