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あまりにも欲が見える/ランドレ ページ4

※LGOキャラ、そういう匂わせ注意

 この人に男としてのそういう欲があるのだろうか。今までアホっぽい所ばかり見てきたからそういうところが想像できない。でもそれは余計な心配で、彼の表情は薄暗闇の中で一変した。どっ、と私の心臓が跳ねて、整った彼の顔が視界に入る。恥ずかしくて私はサッと目を逸らした。と彼の目が一瞬、獲物を狙うような目付きに見えたのだ。私は食べられる小動物。小さな抵抗は虚しく、彼は私の顎に手を添えてそちらに向かせた。とても優しい表情をしているのに、瞳だけは正直に、私の体を射抜いている。そっと私の輪郭をなぞると、小さな声で呟いた。

「壊してしまいそうだ」

 ぶわりと体に熱が回る。ああ彼も、こんなことを言うんだ。こんなことをしたくなるんだ。どうしようもないくらいに興奮してしまった。私の髪を一束手に取って、そっと口付ける。髪はさらさらと流れて行った。

「ここから先はみんなに内緒だ」

 それはどういう内緒なの。こんな貴方を見たことが、内緒なの。嬉しいのは、彼も男だということ。こういった欲を持ち合わせているということ。首元に顔を埋めて肌を噛む。ふと目に入った、結った髪が目に入る。私は手を伸ばして髪留めを解くと、紫色の髪がさらりと流れた。

「駄目だよ」

 髪留めを持った手を取られ、眼前に顔が近づく。目を閉じた。キスをされる。そう思ったけれど、一向にその時はやってこない。

「されると思った? 可愛らしいな」

 目を開けた途端に口付けられて、顔に熱が集まっていくのを感じた。意地悪だ。と口に出すとくすくす笑う。その目は先程よりも情に満ちていて、じん、と胸の奥が疼く。

「あまり見ないでくれ」

 彼は私の髪を避けて、曝された耳朶を柔く噛んだ。短い喘ぎが漏れて、同時に服の隙間に手を滑り込んでくる。私は下唇を噛んで、零れそうになる声を抑えた。

「噛んでは駄目だよ」

 耳元で囁かれるだけで、私はそのまま言うことを聞いてしまう。

「いい子」

 彼はネクタイを緩めた。

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作者名:ぷりん | 作成日時:2020年11月11日 13時

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