実験系YouTuberの相棒はゼラチンでした。4 (ページ19)

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思いを込めて。ページ19

思ってもなかったりくからの手紙に驚きを隠せん私。

それ見てかまた嬉しそうにしたりく。

「どうする？読む？笑」

『読んで。』

Aへ。って言葉が聞こえた。

「ついに二十歳を迎えました。」

『待って、泣きそう。』

「早いよ笑真面目な内容だからちゃんと聞いて。」

『ごめんごめん。いいよ。続き。』

咳払いしてまた紙に目を向け直した。

「Aと初めて逢った時の事、今でもたまーに夢に出てきます。」

たまーにかい。

「あの時Aは屋上のフェンスのあっち側にいて、今にも居なくなってしまいそうでした。
悲しそうな顔を見てここで止めないと一生後悔するって思ったら勝手に口が動いてて、
Aが飛び付いてきた時正直頭をぶつけて痛かったけど助けれたと思ったら胸が一杯になりました。」

ごめん。笑

「それまであったこともないAでしたが、僕の上で泣いた時はどんだけ辛かったか伝わってきて恥ずかしながらこちらまで泣いてしまいそうになりました。ですが傷つけられた腕を見て、俺はこの子より幸せだから泣いたら絶対にダメ。そう思って自分を奮い立たせました。」

…優しいやつ。

「それから色々あって思い出もたくさん出来ました。約6年一緒にいますが僕は"いる"じゃなくて"いてくれてる"って思っていて、こんな俺に付いてきてくれてありがとうという感謝の気持ちで一杯です。」

いいえ。

「こんな僕にこれからも付いてきてくれなんて贅沢はとても言えません。いつか法を犯しそうですし。しかし、これは皆に言える事なのですがここまで僕一人ではほとんどなにもできなかったと思います。皆の支えあっての僕でした。」

…うん。

「だから今すぐにAが家を飛び出してしまっても当たり前の樣にどんな理由でも僕は追いかけようと思います。何でかは照れ臭いので言いません。察してください。それが正解です。笑」

なんやねん、それ。

「こんな紙に思いを書いて人に伝えると言うのはどうしても慣れなく今は照れ恥ずかしい思いで一杯です。」

恥ずかしがりのくせにこんなんして。

「最後に！！今までこんな俺に付いてきてくれてありがとう。どこにいれても溢れ出てしまう程の心からのありがとうを伝えたいと思います！！！」

涙でぐちゃぐちゃになりそうな私の手を取って、

「ありがとう。A」

『あたりまえやっ。あほ。』

りくも泣きそうな目で私に言った。