メイド長はメイドを辞めたい。【d!】

メイド10 ページ11

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鬱様の部屋を出て5分程経った。暫く歩いてたら丁度書類を渡したかったコネシマ様とシャオロン様が居た。


「あぁ!?なんだとシャオロンてめぇ!」

「だからチワワはキャンキャン鳴いてろっての!」

「不人気の癖に生意気な!」

「いま不人気関係ないやろ!」

…やはり内ゲバしてたわね…もう穴などが凄い空いてるし…

そしてシャオロン様の愛用のシャベルに付いてる少しの土…また畑荒らしたのかしら…

「二人とも…畑荒らしたよね…?」

「やべぇ!シッマ、一旦逃げるぞ!」

「シャオロンお前やったんやから囮になれよ!」

「はぁ?!嫌に決まってんやろ!」

…あ、こっち向かって来てる。書類も渡したいしここで止めましょう。ひとらん様の畑も荒らしたっぽいし。

『あ、お二人とも。これ、やってなかった書類です。』

「え…!今かよ…あ、ちょうどいいわ!メイド長さん、ちょっと匿ってくれや!」

「俺からもお願いや!」

『では、私はこれにて。』

「ちょっとメイド長さん!?」

必死に助けを乞うお二人を無視してゾム様の部屋へ向かう。お二人は「え!?ちょ!」のような反応をしてた。

その後来たひとらん様に捕まり、見事復讐鬼となったひとらん様の説教を喰らっていた。書類、ちゃんとやってくださいね。

後で内ゲバは清掃部門に頼み直してもらおう。毎日のように内ゲバしてるから毎日のように内ゲバを直す人がいる。これ常識。

『と…ゾム様の部屋に着いた。』

コンコン

『ゾム様、いらっしゃいますか?Aです。』

「あ、入ってええぞー」

中からゾム様の声が聞こえたので一言『失礼します』と言って部屋に入らせてもらう。

『ゾム様、あの、書類を届けに来たのですが…

あれ?トントン様?どうしてこちらに…』

部屋に入るとゾム様だけで無くトントン様も居た。

「ゾムがメイド長さんに向けて毎朝ナイフ投げてるみたいでな…粛清中や。」

『いや、私は別に大丈夫ですよ…?』

「ほ、ほらトントン!メイド長さんもこう言ってる事だし、もういいやろ?な?」

「それでも駄目なもんはだめや!毎朝毎朝ナイフ投げるんじゃないわ!」

「いや、その、メイド長さんはナイフを投げ飽きないから…な?」

「ナイフを投げ飽きないとか意味わからんわ!」

先程からトントン様が私に対して凄い過保護だ…。別に良いのだが…ゾム様が退屈しないならそれはそれで良い…。


ただナイフを投げ飽きないからっていう言い訳に対しては私もよく分からなかった。

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