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全然気分は乗らなかったけどずっと事務所に居るわけにもいかないからとりあえず駅に向かう。










中村 「はい、どっち行く?」









ホームの真ん中に立って私の家の方向とうみの家の方向を指している。









A 「…助けて、」










中村 「おっけーじゃあ一緒にAの家帰ろっか。それはアリ?」










ほとんど無意識に呟いてしまった言葉にうみはそんな案を出してきてくれたけど、もう何の反応も出来なかった。











家の最寄りに近付く度に手が震えてきたのを見たうみは黙って手を重ねてきてくれた。











A 「…うみ、好き」











中村 「えー、こんな状況で好きって言われても嬉しくない」











うみと別れた時以上にギリギリなのかもはや何も無いのに涙が溢れてくる。











そして最寄りに着いてから家まではあっという間だった。











緊張しながらドアを開けるとまだ母は居た。









A 「…あ、えっと、」










母 「勝手にどこ行ってたの」









そう言いながら頬を殴られて色々と考えてきたはずの言いたかったことは全て忘れてしまう。










A 「お母さん、聞いて」











母 「勝手に家を出ていくような子を育てた記憶は無いです。なんで親の言うことも聞けないの。そんな子会社で使ってもらえないわよ」











帰ってくる途中は恐怖心だけで涙が溢れていたのに、今は殴られても何を言われても何も思わない。










泣くことすら出来ない。










母 「…どちら様ですか」










不意によそ行きの母の声が聞こえて見上げると呆然と立ち尽くしているうみが居た。










待って、なんで普通に入ってきてるの。










A 「お母さん違う、この人は本当に何も…」










母 「あんたには聞いてない」










咄嗟にうみを庇おうとするとその手を剥がされる。










中村 「…中村です」










母 「メンバーさん?」










中村 「一応…一緒に活動してます」










感情が顔に出やすいうみは敵対心を剥き出しにしていて、そのうち怒鳴られるのではないかと不安になってくる。










母 「じゃあちょうど良かった。この子、4年で大学出て良いところに就職して欲しいんだけど全然聞いてくれなくて。中村さんから説得してくれない?」












相変わらずよそ行きの声でそう言う母にうみは曖昧に頷いている。

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美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月4日 17時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:y | 作成日時:2021年11月1日 6時

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