虎の娘《３》 (ページ30)

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結局うみのその言葉はノリだったみたいでしばらくのんびりしてから駅に向かう。

中村「明日も練習か」

A 「なんか一週間ぐらい休み欲しくなっちゃうよね」

ポロリと呟いたうみの言葉に思わず共感する。

こんなことを宮近とかに言うと「甘えるな」って言われそうだけど普通にしんどいんだもん。

A 「でも有難いことに忙しいのに慣れてるから急に休みになるとやること無くて暇になっちゃうんだよね」

中村「いや、俺は割と家でも忙しい」

A 「…あ、そうですか」

どうせ昼寝とゲームでしょ、と思いながら適当に流す。

そしてしばらく歩いているうちに駅に着いた。

中村「明日朝練習する？」

加入当初はうみが朝が苦手なことも知らなかったから当たり前のように朝練にも付き合ってもらっていた。

またあの時のうみと重ねてしまって懐かしい気持ちになる。

A 「ん～、でもうみしんどいでしょ」

中村「行けるか分かんないけど努力はする」

その言い方は90%以上来ないやつなんだよな、と思いながら素直に嬉しかったから笑ってお礼を言う。

A 「じゃあまた明日。がんばろーね」

中村「おやすみ～」

そしてお互いに手を振り合ってその日は別れる。

次の日の朝、案の定うみは朝練の時間には来なかったけど紅孔雀の三人が居た。

A 「おはよ、みんな早いね」

宮近「なんか時間無さそうだから俺たちのパフォーマンス先に仕上げとこうかなって」

挨拶をするとみんな振り返って笑顔で答えてくれる。

松田「Aちゃん昨日も遅くまで残ってたんでしょ、あんまり無理しすぎちゃダメだよ。」

A 「ありがと。昨日ちょっと感覚掴んだから忘れないうちに復習だけして楽屋で寝ます(笑)」

そして宣言通り少しだけ練習して楽屋で休むことにした。

全部初めてな分遅れているからみんな以上に頑張らないといけないけど、全員がたくさん助けてくれて支えてくれていいものが出来上がりそうで嬉しくなっていた。