虎の娘《２》 (ページ16)

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いつもと… ページ16

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今日はうみとふたりで遊びに行く。

なぜか私とうみだけオフだったみたいでマネージャーさんから聞いた時「何しよう…」と呟くといつもの如く隣に居たうみが「じゃあ遊ぼうよ」と誘ってきて今日に至る。

誰よりも彼氏いじりしていたくせにあのドッキリの日以降なくなって「遊ぶ日だけは俺のこと彼氏だと思ってよ」とか言っていた。

本当に気分屋ってわかんない

いつも大体ギリギリか5分ぐらい遅れてくるから集合時間の数分前に行くと既にうみは居た。

A 「おはよ。早いじゃん珍しいね」

中村「3分前で珍しいとか言わないでよ」

A 「待った？」

中村「全然。とりあえずなんか食べていい？お腹空いた」

私の返事を聞かずに近くの飲食店を探しているうみ。

よく見るといつもよりヘアセットも雑で必死に頑張って間に合わせてきたのかと思うと可愛く感じてしまう。

A 「…あ、あそこのハンバーグ美味しいよ」

中村「いやお前食べないでしょ、待たせるの悪いもんカフェとかでいいよ」

そう言って前に私が行きたいと呟いていたカフェに入っていった。

何だろう、彼氏モード？

いつもと何も変わらない雰囲気だけどさりげなく気を遣ったりしてくれるうみに違和感を感じていた。

A 「うみってそんな優しかった？」

中村「…逆にそんな雑にしちゃってた？(笑)ごめん」

A 「やめてよ、なんか気持ち悪い」

そう言っても何も言い返さず笑っているうみ。

確かに活動が一緒になり始めた頃は誰よりも優しかったし、今もみんなに対しては高低差が凄いだけでちゃんといい人。

でも今の何に対しても突っかかってきて腹立つうみに慣れているから着いていけない。

中村「…マジでかっこ悪いからこの店出たら忘れて欲しいんだけど、俺いじってた割にお前にも彼氏が出来る可能性あるって思ったらなんか怖くなっちゃって」

私の考えていることを察したのか突然そう話し始めたうみ。

中村「なんだかんだ俺お前のこと好きだし嫌われたくないんだよね(笑)」

何でも自信満々にはっきりとグサグサ言ってくるうみが控えめに笑ってそう言ってきてもうこの人が本当にうみなのか分からなくなってきていた。