虎の娘《２》 (ページ15)

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Travis Japanの楽屋に戻ってから自慢げにTikTokのことを話すとみんななんとも言えない反応をした。

七五三掛「…それさ、ジェネレーションギャップとかじゃなくて単純に機械音痴なんじゃない？」

川島「俺もあんまりTikTokって見たことないけど、このプラス押したら撮れるんだろうなっていうのは何となく分かるよ」

A 「そういうのは知ってても"すごいね"って驚くんだよ、可愛くないな」

美少年のフレッシュな雰囲気に慣れてきたからなのか正論をぶつけてくるみんなに毒づく。

中村「お前ほんと北斗くんと共演したらSixTONESさんっぽくなるし、美少年のとこ行ったら純粋になるし流されすぎでしょ」

A 「女の子にお前って言うのやめな？」

中村「今さらじゃんそれは何キャラなの(笑)」

"クイズ部に入りたかった"と言うだけであんなに焦って謝ってくれた美少年とは正反対過ぎてビックリする。

でもこの"女の子だから"感のない接し方がずっと嬉しかったし好きだった。

松倉「こんなのAに言ったところで仕方ないんだけど、トラジャ以外との行動が増えると不安になっちゃうよね」

私の言葉をさらっと流して携帯を触り始めたうみのことを見ていると突然小声でまちゅが隣に来てそう言ってきた。

A 「…なんで？」

松倉「Aって加入とは言われてないんでしょ？まだ分かんないよね、」

静かに俯いてそう言うまちゅはこの前のHiHi Jetsとのコラボの後に不安そうに言ってきたうみと似ている気がした。

A 「私トラジャは離れる気ないよ」

松倉「…本当に？」

はっきりとそう言ってもどこか不安そうなまちゅ。

松倉「この前のコラボもだし他のグループに行ったあとのA楽しそうなんだけど…」

完璧に無意識だったけど意外と周りを見ていて繊細なまちゅはそんな小さな変化でも気になってしまったんだろう。

A 「それは単純にコラボが楽しかったからだよ、私はTravis Japanで夢を叶える」

そう言うとまちゅは少しだけ安心したような顔をして戻っていった。

HiHi Jetsのように「居場所はある」と言ってくれるのも、美少年のように純粋に丁寧に接してくれるのもいいけどこの程よい雑さが一番心地いいと思った。