虎の娘 《２》

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みんなと距離が縮まるきっかけになったのはYouTubeだった。








当たり前のように私の名前はTravis Japanのところにあって、嘘でも一緒に騒いで盛り上がっているうちに少しずつ心を開けている気がした。









いつの間にかメンバーのことも呼び捨てで呼べるようになっていて、宮近への敬語もなくなっていた。







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宮近 「何見てんの？え、それめっちゃ初期じゃん」









カメラのフォルダを見ながらそんな昔のことを振り返っていると突然宮近が話しかけてきた。









中村 「まってその時期無理なんだけど。逆になんで消してないの」









松倉 「これがあの仲悪かったって時期？」









吉澤 「仲悪いどころじゃないよ、ガチで地獄」









みんな口々に話しているなか目を合わせようともしないしめちゃん。









私の中ではもう終わった話だし、近いうちに遊びに行く約束もしてるし笑い話に出来るけどしめちゃんは未だに気にしてるみたいで掘り返してしまって少しだけ申し訳ない気持ちになった。









松田 「俺らが加入した時も仲悪かったの？」









A 「何ならあの時が一番ピリピリしてた(笑)」









川島 「言い方悪いけど松松に逃げた感はあったよね」









みんな笑いながらもどこか気を遣っている感じがして、逆にしんどかった。









A 「私も結成よりあとに入所してきた子が急に何も言わずメンバーですなんて言われたら絶対いじめるから本当に気にしないで」









私が笑ってそう言ってその場ではその話は終わった。









改めてフォルダを見返して、みんな若いな〜と思ったりこんな色んなグループの人たちと写真撮れてるのある意味幸せだよなと思ったり。









中村 「マジでメンタル強すぎない？」









みんながそれぞれに分かれ始めたタイミングでうみが話しかけてくる。









中村 「俺だったらあの時のやつなんか全部消したいけど」









A 「この笑顔の裏があんななんだよ、逆に面白くない？」









中村 「お前やば」









引いたようにそう言われるけど、ひとつの思い出だし何ならあれがあってこそ私のアイドル人生みたいなところもあるからこれからも消す予定は無い。









もうこの頃には兄組と弟組の壁は無かったはずなのに気を遣って3人が私側に少し寄ってくれている写真を見ながらそう思った。

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