虎の娘 (ページ49)

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ついに帰る日の朝。

前日にはしゃぎ倒したからみんななかなか起きなかったけど、何とか車までは移動した。

川島「いくらでも寝てもらって良いけどシートベルトだけは締めてくださいね」

昨日からどこか修学旅行テンションな如恵留がそう言うとみんな大人しくシートベルトを締めた。

吉澤「なんか事務所に着いたら夢から覚めちゃいそう」

A 「何か分かる」

有難いことに明日からも変わらず仕事は入っている。

こうやって何も考えずに騒ぎ倒せるのもしばらく無いと思うと少しだけ寂しかった。

七五三掛「如恵留本当に計画してくれてありがとね」

川島「いやいやみんなが喜んでくれて幸せだから全然だよ」

基本的にずっとうるさかった紅孔雀とうみの寝顔を見ながら、私も如恵留に感謝する。

A 「私正直トラジャで活動していくの無理だと思ってたし嫌だったけど、いつの間にかみんなのこと大好きになっちゃってた」

こういうことを言ってもし宮近かうみが起きてたらすぐいじってきてたんだと思う。

でも今起きてる三人はみんな大人で優しく頷いてくれた。

吉澤「毎日辞めたいって言ってたもんね、Aの居場所がここになって良かった」

川島「改めてメンバーになってくれてありがとう」

七五三掛「ほんとにずっといじられるの嫌だから早急にプライベートでふたりで遊びに行こう」

しめちゃんのその言葉にみんなで笑って気が付くと事務所の前に着いていた。

宮近「…あ、Aおはよ。家まで送ろっか？」

A 「んー、大丈夫ありがと…」

そう言って寝ぼけながら歩いていると目の前の電柱にぶつかりかけた。

松倉「え、危なっ。A電車で寝た時帰れてる？」

A 「大丈夫帰れる」

宮近「もー、ダメだから俺の車乗って」

無理やり帰ろうとするけど、やっぱり宮近の説得には勝てなくて宮近の車に乗る。

事務所から家は比較的近い方だからあっという間に着いた。

A 「ほんとにごめんね、ありがとう」

宮近「全然いいよ、今日はゆっくり休みなね」

そう言って手を振り合って玄関の前で別れる。

騒がしかったけど本当に楽しくてこんな機会をつくってくれた如恵留に改めて感謝したかった。