虎の娘 (ページ42)

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今回は基本宮近とペアで撮影していくことになっている。

宮近「俺たちって意外と雑誌ではペアになったことないよね」

A 「確かに言われてみればそうかも。もしかして私たち需要無い？」

宮近「一応Wセンターとしてやってるはずなんだけどね」

そんなどうでもいい話をしながら一番最初に撮影した模擬屋台は射的だった。

A 「宮近って確か射的上手かったよね」

宮近「たまたまだよ」

さらっとそう言いながら軽々しく景品をゲットする宮近。

A 「…なんか上手すぎると盛り上がらないよね」

宮近「何それひどくない？(笑)」

私は3発ほど連射して景品をゲットした。

宮近「これってアリなんですか？」

A 「撮影だから楽しかったらオッケーなんだよ」

宮近「じゃあ今回は許します。今回だけだよ」

そんな感じで至るところで終始騒ぎながら撮影をしてこの日の雑誌撮影は終わった。

川島「そうだ浴衣TV撮ろうよ」

ちゃんとぐちゃぐちゃにしないで着替えられるか考えていると、楽屋まで戻る途中で如恵留が突然そう言った。

松倉「いいよ」

みんなが騒ぎすぎて若干終わりの時間が遅くなっていたから全員がお互いの顔を見合わせているなかまちゅが即答で如恵留の言葉に頷いた。

A 「…ほんとにまちゅっていい人だね」

松倉「だってもうしばらく着る機会なくない？絶対撮った方がいいよ」

まちゅに屈託のない純粋な笑顔でそう言われると何も言い返せなくてとりあえず撮ることにした。

一通り撮り終わると如恵留は満足そうにお礼を言って楽屋に戻っていった。

A 「…メンバーの中にオタクが居るの有難いけどちょっと面倒臭いかも」

宮近「如恵留は単純に好きでやってくれてるだけだから言わないであげて(笑)」

ご機嫌な如恵留の後ろ姿を見ながら呟くと隣を歩いていた宮近に笑ってツッコまれた。

なんだかんだメンバー全員で揃ってこうやって何も考えずに騒いだのは初めてかもしれない。

時間が遅くなっていても楽しそうにわいわいと騒ぎながら楽屋に戻っているみんなを見て何となく私も幸せな気分になった。