虎の娘 (ページ35)

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ずっと北斗くんが近くに来てくれたおかげで映画撮影は安心してあっという間にクランクアップの時になった。

松村「Aちゃん今日クランクアップ？」

A 「はい！本当に北斗くんが居てくれたおかげでめっちゃ緊張ほぐれてましたありがとうございます」

松村「本当に？俺のせいで緊張してたんじゃない？」

A 「あ～あるかもしれないです。だってこの先輩ミスったら裏口呼んできますもんね」

北斗くんと終始このノリをしていたおかげで監督さんともスタッフさんとも軽く話せるようになったし、本当に感謝している。

今もこの様子を見て笑ってくれているスタッフさんを見てそう思った。

A 「いや、でも真面目に仲良い先輩が居て下さるって本当に大きくてめっちゃ救われてました。今回メンバー誰にも言ってなかったんで演技の相談にも乗ってもらったりしてありがとうございます」

松村「ちゃんと先輩ぶれてたかな」

A 「普段こんな感じですけど私めっちゃ北斗くんのこと尊敬してます」

松村「やめてよ、Aちゃんに褒められると隕石降ってきそう」

A 「私そんな北斗くんのことバカにしてました！？(笑)」

そんな感じで緩くクランクアップして私の初映画撮影は終わった。

そして次の日、メンバー全員が集まるタイミングでみんなにチケットを渡すことにした。

A 「宮近、今日ってみんな来るよね？」

宮近「来ると思うけど…何？なんか今日すごいそわそわしてるね(笑)」

A 「いや、何もないけど」

楽屋に着いてヘアセットをしていてもなかなか揃わないから心配になって隣に居た宮近に聞くと、全てバレているような笑顔で言われた。

そうこうしているうちにいつの間にみんな揃っていたみたいだった。

A 「ねえ宮近。このあとすぐ仕事入ってる人いる？」

宮近「俺マネージャーさんじゃないんだけど(笑)知らないよ、居ないんじゃない？」

いつもなら前の日にマネージャーさんからのメールで全員分のスケジュールを理解して行くようにしていたから、もしかするとこの時点でバレていたかもしれないけどそんなことを考えている余裕はなかった。