虎の娘

映画 ページ34

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メンバーには言っていなかったけど、今日から初めての映画の撮影が始まる。









基本的に外仕事が決まった時は誰かしらに相談して励ましてもらっていたけど、いい加減大人にならないといけないと思って今回はあえて誰にも言わずサプライズでみんなにチケットを渡そうと思っている。









昨日までは余裕だと思っていたけど現場に来ると雰囲気も違うし共演者さんも有名な方ばかりで緊張が止まらない。









？？ 「あれ、Aちゃん？」









「やっぱり無理だ、宮近に電話かけよう」と思ってスマホを持ちかけた時聞き覚えのある声がした気がした。









咄嗟に顔を上げると目の前に居たのはSixTONESの松村 北斗くんだった。









SixTONESさんに加入したことは無かったけど、しめちゃんの同期だったり元太が必死に距離を縮めようとしていたりグループとしてもお世話になることが多くてたまにお話することもあった。









A 「なんかこれで映画デビューしちゃうみたいです私」









松村 「え、すごいじゃん勢い止まらないね」









A 「あ〜もう北斗くん居るなら安心して出来ます後は頼みました」









先輩だしクールなイメージもあって正直一番関わりにくいと思っていたけど、話してみると本当に面白くてここまでいじり合える関係にもなれた。









シンプルに北斗くんと一緒というだけでメンバーがそばに居てくれているような安心感がある。









A 「NG出したら一緒に謝ってくれるんですよね？」









松村 「それは同じ事務所仲間だしいくらでも謝るけど」









A 「いや良いですよ謝らないでください(笑)」









来た瞬間あんなにガチガチだったのが嘘のように緊張がほぐれて撮影はリラックスして挑めた。









そして一旦休憩が入ると北斗くんがそばに来てくれた。









松村 「撮影どう？いけてる？」









A 「え、もう本気でめっちゃ良いです。主演女優賞獲っちゃうかもしれないです」









松村 「さすがAちゃん」









A 「あ、サプライズでチケット渡す予定なんでメンバーには誰にも言わないでくださいね」









そう言うと軽く「おっけー」と言ってさっき撮ったシーンを見返す北斗くん。









その様子を見て私も次の撮影の台本を確認することにした。

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