虎の娘 (ページ4)

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次の日のレッスンはなんとなく気まずくて宮近と離れて練習していた。

いつもずっと隣に居る私たちが一言も話さないことにみんなも違和感を感じ始めていて少しずつ空気が重くなっていた。

松田「…ね、Aちゃん！ひとりでやっててもわかんないでしょ一緒にやろ！！」

松松のふたりで練習していた元太が突然話しかけに来てくれて、元太が指さしている方を見るとまちゅもニコニコと笑っていた。

いつもそう。何となく暗い時はこのふたりが気付かないフリして笑ってくれる。

松田「今日ケイと終わったらカラオケ行こって言ってたんだけど来る？」

多分私のことを元気づけるために言ってくれてるんだと思う。けど昨日受験のために休むか迷ってるって言ったばかりだしすぐに頷くことは出来なかった。

松倉「…何か予定ある？」

A 「いや、無い…けど」

松田「じゃ決定ね！！」

それから一回みんなで合わせて調整してその日の仕事は終わった。

楽屋に戻って松松が話しかけに来てくれた時宮近が横から入ってきた。

宮近「ごめんちょっとだけA借りていい？」

松倉「…今日ずっと二人とも機嫌悪いけど何があったのかだけ聞いていい？」

宮近「Aが良いなら言うけど」

みんなの視線が私に集まって、でもまだ決めたことじゃないし昨日の宮近の言葉もあるし何も言えなくて空気が重くなった。

中村「なんかこの空気やだしんどい」

七五三掛「どうせ喧嘩したとかでしょ早く仲直りしてよ」

A 「…ジャニーズ、辞めようかなって」

完璧に勢いだった。

けど、宮近が言ってたみたいに生半可な気持ちでするぐらいなら勉強に専念した方がいいし今日みたいにみんなに気を遣わせることも無くなるならこれが一番いい。

宮近「…は？」

川島「まって聞いてないんだけど」

A 「言ってないもん、宮近にも言ってない」

宮近「え、お前辞める気はないって言ってたじゃん」

みんな混乱状態で息をするのもしんどいぐらい空気が重くて早くこの場から逃げ出したかった。

A 「もう迷惑かけないから、ごめんね(笑)」

今の自分に出来る精一杯の笑顔で言い切ってすぐに楽屋を出た。