虎の娘 (ページ26)

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EP.4 ページ26

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ある日のリハ終わり、突然メンバー全員が事務所の部屋に集められた。

七五三掛「何これ怖いんだけど」

みんなが怯えていると見覚えのあるスタッフさん達が現れた。

A 「まってこれあれじゃん」

いつも突然現れて私たちに様々な試練を突きつけてくる番組。

振りを考えるところから始まりリハーサル、完成形まで全てが放送されるこのドキュメンタリー番組はファンじゃない人にも大好評だと同級生から聞いた。

私たちも世界で活躍中のトップアーティストの方とのコラボレーションに挑めるのは、刺激を受けることも出来るし純粋に楽しい。

中村「あー、じゃあ俺くじ引きますね」

さすがに4回目になるとみんなも説明を聞かなくても何となくわかる。

当たり前のようにうみがダンスリーダーを決めるくじの前に立って引いたのは私の名前だった。

中村「…あー、Aなら大丈夫か」

A 「全然大丈夫じゃないんだけど」

今回のテーマはジャズ。

今まで通り提供される課題曲に振りを付け、6時間後に1カメラ1カットでパフォーマンスを披露する。

早速それぞれ分かれて振り付けを考え始める。

A 「ジャズか…分かんないな…」

何も思いつかないまま時間だけが過ぎていくけど、みんなは少しずつ動き始めているみたいだった。

宮近「大丈夫？(笑)」

A 「無理！！でも早く考えないと合わせられないよね、ちょっとまって」

松倉「思ってるほど気負わなくても動いてるうちに思いついたりするから一回やってみた方がいいよ」

まちゅが自慢げにそう言ってきてみんな「さすがリーダー経験者」とかいじってるけど、私はそんな風に笑っている余裕もない。

松田「一緒に考える？」

みんなの輪から外れてひたすら考えていると元太が近くに来てくれた。

松田「え、いっぱい書いてるじゃん。いいと思うよこれ」

とりあえず思いつくままに適当に書いたメモを見てそう言う元太。

そのままメモを持ってみんなのところに行く。

松田「はい、じゃあリーダーはAちゃんだから任せた」

私がつられてみんなのところに行くとさっとメモを返してきてみんなの視線が私に集まった。