虎の娘 (ページ22)

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体調不良ページ22

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今日は大先輩のバックにつかせて頂く曲のレッスン。

私が入所する前から大活躍していて失敗は許されない。

みんなも気合が入っている。

宮近「Aとりあえずふたりで合わせよ」

いつものように宮近が近くに来て練習に付き合ってくれる。

けど、なぜか今日は思うように体が動かなかった。

宮近「…何やってんの」

A 「ごめんもう一回良い？」

もちろん宮近もたくさんお世話になっている先輩で、こんなところで迷惑をかける訳にはいかないと思っている。

適当なことをしている私に腹が立つのも分かるけど、私自身も思うようにできない自分に腹が立っていた。

宮近「一回休憩する？」

そう言って宮近は一回私から離れたところで水を飲みながら振りの確認をし始めた。

絶対自分一人で動いてやった方が早いのに、そうはしないであくまでも休憩をしてくれる辺り本当に優しいと思う。

そんな優しさに甘えている余裕もないから、宮近との休憩時間も全体の休憩時間もずっと練習し続けた。

松田「Aちゃん、ちゃかになんか言われた？体壊しちゃうよ」

松倉「ね、顔赤いよ。水ぐらいは飲んだ方が良いよ」

宮近と一緒に練習していないから喧嘩しているのかと思った松松がそう声をかけてくれる。

A 「大丈夫だよ、ありがとう」

そしてその日のレッスンは終わった。

何回通しても絶対一箇所はミスがあって、みんな言いたいことはたくさんあったはずなのに誰も何も言ってこなかった。

それが逆に申し訳なくて誰よりも早く楽屋に戻って確認した。

中村「お前本気で気付いてないの」

私の次に戻ってきたうみが帰ってきた瞬間そう言う。

A 「今日のこと？分かってるよ、ちゃんと明日には出来るようにするから。ごめん」

中村「違うって。…んー、どうすればいいんだろ、とりあえず寝ろ」

よく分からないけど強くそう言われて断るわけにもいかなくて素直にソファに寝転ぶ。

寝た瞬間さっきまでの疲れが一気に押し寄せてきた気がした。

いつの間にか本当に寝てしまっていてみんなが帰ってきていたことにも気付かなかった。