虎の娘 (ページ3)

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受験ページ3

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加入当時はギリギリ松松も居なくて本当に毎日辞めたいって思ってたな～とか考えていると一度本気で辞めようとしたことを思い出した。

あれはちょうど二年前の今頃。グループとしても色々としんどくて大学受験をするかしないか迷っている頃だった。

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東京ドームでのライブが終わった次の日、みんな疲れ切っていたからマネージャーさんがオフにしてくれたけど私は近くのカフェに宮近を呼んで相談していた。

A 「宮近も疲れてるのにごめんね」

宮近「全然！ひとりで居たら泣いちゃうからいいよ(笑)」

ずっとグループの真ん中でみんなを支え続けてくれている宮近がこんなにサラッと本音を言ってくれるのは信頼してくれているからだと思うし嬉しいけど、それでも強がって笑っていることに変わりはなくて少し悔しかった。

如恵留くんの前とかだったら普通に泣くのかな、なんて。

宮近「…単刀直入に言うけど辞めないよね？」

メニューを見たまま控えめにそう言った宮近。

何も答えられなくて俯いていると宮近が心配そうに顔をあげた。

宮近「逃げんの？」

A 「今は辞めないよ。けど逃げ道が欲しい」

宮近「どういうこと？」

A 「私今年受験生なんだけど、ちゃんとアイドル以外でも生きていける道作っておきたいなって」

それからしばらく沈黙が続いた。

宮近「ごめんちょっとよく分かんない」

A 「私国公立受けるか迷ってて」

宮近「だから休みたいって言いたいの？」

A 「…どうしようかなって」

基本的に何を言っても私の意見に否定はしないで遠回しに正解を教えてくれる宮近がここまで私の言葉に納得してくれないことは初めてで、少しずつ心が折れ始めていた。

宮近「別に俺はどっちでもいいけど」

A 「…え、」

宮近「アイドル以外でやっていきたいならもうそっち行けば良いんじゃない？俺たちそんな生半可な気持ちでやってないし、今まで休んできた人たちもそんな理由で休んだ人居ないと思うよ」

淡々とそう言いきると私とは目も合わせず出てきたパンケーキを食べ始めた。

A 「…ごめん」

宮近「もう一回聞くけど辞めないよね？」

まだ気持ちは固まっていなかったけど、宮近の目が怖くて咄嗟に頷いた。