虎の娘 (ページ12)

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宮近「じゃあ閑也が欲しいって思った人のやつから渡そ」

吉澤「…え、難しくない？」

そしてしばらく悩んで閑也が一番初めに指名したのは私だった。

A 「おめでとう！」

吉澤「ありがとう～これもう開けていいの？」

私が頷くと嬉しそうな顔をしてラッピングを開け始める閑也。

吉澤「…あ、これ」

私からのプレゼントは少し前に閑也と遊びに行った時欲しそうにしていた服。

値段と葛藤して「もうちょっと色々頑張ってからにしよ」と諦めているのを見ていたからこの機会に渡すことにした。

A 「喜んでもらえた？」

吉澤「めっちゃ嬉しい！けどこれ本当に…」

喜んでくれてるけどどこか申し訳なさそうな顔をしている閑也。

誕生日ぐらい遠慮しないで素直に喜べば良いのに本当に優しい人なんだよね

それから全員がプレゼントを渡して、閑也との思い出話に浸った。

A 「トラジャでの活動が増え始めた時一番一緒に居てくれたのは閑也だったよね」

吉澤「そうだね～普通に悔しかったし全部受け入れられてたわけでもなかったけど、Aは何も悪くないのに俺ら全員拒否るのも違うと思ったからね」

A 「休みの度に遊んでくれて話聞いてくれて本当に救われてた。」

あの時の名残で今も宮近には言えないようなちょっとした愚痴とか聞いてもらったり、オフが合えば遊びに行ったり心から感謝してる。

吉澤「なんかAのそういう話泣いちゃう(笑)」

宮近「こんなこと言ったら傷付くかもしれないけど、あの時からちゃんとメンバーとして接してたのは閑也だけだったもんね正直」

中村「それがここまで変わるってシンプルにAが凄い」

何故か私の話になってしんみりしちゃったけど、その間にも松松がお菓子を並べたり飾り付けをしたりしてくれていて少しずつパーティー気分が戻ってきた。

松田「そういえばちゃか面白いゲームって何？」

宮近「え、」

松倉「多分あれはその場のノリだと思うよ」

松田「えー…」

宮近「なんかごめん(笑)」

今日ずっとハイテンションな元太。

ゲームが無いと分かってもずっと歩き回って閑也にちょっかいをかけている。

結局その日は夜が明けるギリギリまではしゃいで次の日みんな仲良く寝不足だった。