虎の娘 (ページ2)

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加入当時のお話ページ2

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雑誌撮影の休憩中、みんな楽屋で思い思いに休憩していた時如恵留が突然昔の動画を再生しながら話し始めた。

川島「ね、これめっちゃ懐かしくない？」

如恵留が見ているのはちょうど私が加入する直前ぐらいの動画だった。

ジャニーズ事務所異例の女性タレントとして入所した私はとにかく知名度を上げるためにまともなレッスンを受けさせてもらえることはほぼ無く、ひたすら色んなグループに臨時加入することが多かった。

Travis Japanに入るようになったのも同じような経緯で初めは全く違和感なくこなしていたけど、次第にTravis Japanの代理としてしか呼ばれなくなっていた。

そしていつの間にか当たり前のようにTravis Japanと一緒にレッスンを受け、ステージに出るようになっていた。

宮近「あれ、そういえばAって正式に加入しますって言ったことあったっけ」

A 「ないよ」

中村「だからしめがキレてたんだよ」

今となっては誰よりもグループに対しての思いが強くて努力家なしめちゃんだから、急に年下の女の子が何も言わずに入ってきて一緒に活動していることにイライラするのはわかる。

でも当時子どもだった私には楽屋に入る度に睨まれて、何を聞いても冷たくあしらわれて少しミスをするだけであからさまにため息をつかれるのは怖くて仕方がなかった。

宮近「え、だからキレてたの？(笑)」

七五三掛「だって普通に納得出来ないじゃん。Aちゃんが色んなグループでしっかりこなしてきてたのは知ってたけど俺らなんの説明もなかったんだよ？」

中村「まあAを入れたかったのも分かるけど俺らにもプライドがあったもんな～」

吉澤「今だから言えるけど5個以上下の子に助けられるって情けなくて素直に受け入れられなかったよね」

その言葉にみんなが頷いて少しだけ複雑な気分になった。

川島「でもAちゃんを入れたのは絶対正解だったよね」

俯いた私に気が付いたのか如恵留がわざと明るい声で言う。

七五三掛「そう、本当にあの時はごめんね」

中村「Aガチのハイスペックだもんね」

そうしてまたわいわいと騒がしくなる楽屋。

加入当初は受け入れられていないことも分かっていたし年の差もあってやっていける自信は無かったけど、あの時逃げずに続けたおかげでこうして温かいグループで活動出来て本当に幸せだと思った。