余命宣告はハッキング出来ますか 2【降谷零/安室透】

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黒「約束の"誕生日"までもう一月を切っているぞ、降谷」

降「........はい」

黒「まだ昏睡状態にあるそうだな。親と病院側はいつまで延命措置を続けるつもりだ」

降「........まだ諦めるつもりは無いと思います」

黒「嘘は良くないな。病院は転院を要求しているそうじゃないか、急性期しか看れないからと。一方で親の方は転院先に目処が付かず、長引く治療の費用にも頭を悩ませている」

降「..........」

黒「こう言っては何だが、公安警察やNOCリストのみならず、組織の情報まで見た人間が自滅してくれるのはありがたい事だ。処分する手間が省ける。それとは反対に、もしも彼女が目を覚ましたら、どうするつもりか聞こうじゃないか」

降「.......彼女はまだ未成年です。仮に目覚めた時成人していても犯罪の時点では18歳未満。寛大な処置を願います」

黒「つまり任せても問題無いという事か？」

降「っ、管理か

黒「ぬかるなよ。諦め時は見失うな」

降「管理官！お待ち下さい！管理官！」







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風「とは言え匿名のタレコミですが........」

降「だからと言って放置する訳にはいかない。当日は君も来てくれ」

風「りょ、了解しました」





時は流れ、例の少女が眠りについてからもう1ヶ月以上

公安部としてはその話題や存在も薄れて行き、ただ降谷さんの様子を伺うのみに



そうして伺えてる様子は、もうとっくに吹っ切れているよう.......にも見えるが、潜入捜査の衣服の受け渡しとワンちゃんの事でご自宅アパートへ上がらせて頂いた時


綺麗に整理整頓されている中妙に目立つ敷きっぱなしの布団

洗面所には余分な歯ブラシとコップ

日常的に使っているような場所に真新しいヘアドライヤー

キッチンシンク横の水切りラックには、一人暮らしにしては数が多いカトラリー


......と、とにかくまるで現在進行形で女性と同棲しているかのよう
だが降谷さんにそんな相手はいないと分かっている

何より、未だ両親の目を忍んで毎晩面会時間外に見舞いに行ってらっしゃるようだから.......





降「おい、聞いてるのか？」

風「あ、す、すみません.......」

降「はぁ.......」





公安部へ寄せられたのは、降谷さんのご友人を殉職させたあの爆弾魔が都内の某所に現れるというタレコミ

本当なら色んな意味で一大事.......なはずだが、徐に時間を確認した上司は





降「.......また明日連絡する」

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