67 ページ17
風「.......な、何か欲しい物は無いんですかね!?どんなに高価な物でも我々が
降「無い」
風「え?無い?」
降「無い、あったらとっくに用意してる」
あれから1週間
降谷さんは毎日見舞いに行ってるようで、初めこそ意気揚々としていたが早速既に目に見えて落ち込み出している
......そのお気持ちは察する......
一方でこんな事を聞いているのは、我々は様々な罪悪感に苛まれ日記を見る覚悟が無いからだ
反対に自身への戒めのように何度も繰り返し読み込んでいるのは降谷さん
だから降谷さんなら知っているのでは、と
降「前に話しただろ、"残るような物は買いたくない"。あの時スマホを欲しがらなかったのも、ほとんど2年契約の中、2年どころか明日どうなっているかも分からないのに買うのは勿体無いという事らしい。そんなあの子に"欲しい物"なんてあると思うか」
風「.......そう、ですか.......」
降「......だから食いしん坊だったんだろうな。大袈裟だと思っていたが、本当に何でも満足気に食べていたよ」
.......そう言われても食べ物の差し入れは出来ない
経管栄養で入れられるような類は、きっと少女が食べたかった物じゃない
降「.......それも一緒に食べてあげれば良かった......いつも一口食べるかって聞いて来て、面倒だと.......」
風「.......し、仕方ありませんよ。我々は事情を知らなかっ......いえ.......すみません.......」
降「もういい、今は仕事に集中しよう」
それでもこんな状況で何もしないのも気が引けて、髪を染めたりネイルをしたり派手だった少女は女の子らしい可愛い物が好きなんじゃないかと
あんな質素な病室なんか気に入らないんじゃないかと
おじさんなりに緊張しながら買ったブランケットを持って、あの移植の夜ぶりに訪れた病院
パジャマが"入院が長引く事を連想させる"としてNG視されているように、もしかしたらブランケットもそうなんじゃないかとは思ったが、贈っても目覚めなきゃ仕方ない小物や本よりは良いだろう
少し緊張して
引き戸のドアを開けると
風「......あっ」
父「っ、どちら様ですか?」
母「うぅっ......」
......そうだった
忘れていた
風「えぇっと、先日ご連絡させて頂いた警視庁公安部の風見と申します。この度はお嬢様の事........その.......」
続く言葉が見つからない
547人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
belle(プロフ) - はじめまして!∂さんの書く作品全部大好きでいつも読ませていただいてます!物語作り文章にするのはとても大変だとは思いますが∂さんの作品なので作者さまの感性で自由に書いていただけた方が読者の私は嬉しいです!これからも応援しています! (2023年4月18日 21時) (レス) @page50 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
∂(プロフ) - toratora10さん» (ご指摘のつもりじゃなかったらごめんなさい)捜査会議盗聴したり違法行為爆盛りで有名な彼なのでご容赦を🙏出来る限りリアルに書くようにしてますが至らない部分も多いので、ファンタジーの一つとしてこれからもお楽しみ頂けると幸いです🙇♀️ (2023年1月16日 16時) (レス) id: 49eaddb046 (このIDを非表示/違反報告)
toratora10(プロフ) - コナン君、臓器提供関係の内部の秘密を漏らしたり、盗聴したら、アウト、ドナー者同士の極秘もあるからね。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page7 id: d5d529a22f (このIDを非表示/違反報告)
yo(プロフ) - 泣いてしまったァァ。お話とっても好きです。応援してます! (2023年1月16日 2時) (レス) @page4 id: aa1640b2da (このIDを非表示/違反報告)
笹で巻く餅(プロフ) - ∂さんの書く降谷さんとシリアス大好きです😭更新頑張ってください (2023年1月16日 1時) (レス) @page4 id: 3ab7b84c9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:∂ | 作成日時:2023年1月15日 21時