余命宣告はハッキング出来ますか【降谷零/安室透】

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『っ！おかえり！！』





まず真っ先に飛び込んで来たのは少し焦げ臭い匂いと、勝手にエプロンを着けた通中運転のハイテンション




『ご飯にする？お風呂にする？それともワ・タ

降『焦げ臭いぞ、何をした？』

『あ、カレー作ったの！ちょっと焦げちゃったけど味見したら全然大丈夫だったからさ！』





仕方なく食べたさ

じゃがいもの代わりに油揚げと、なぜか余計に小松菜が入ったカレーを

美味しくもなかったが不味くもなかった


全く.......こっちは殺されかけたり何なり大変だったと言うのに、こいつは呑気な物だな
少しは心配もしてくれないのか


などと思いながら、
実は.......




思いもよらなかった形で遠くない未来、彼女の思惑を知る事になる





そんなNOCリスト事件から実はまた1ヶ月以上経ち、東京サミットが近付いている






梓「じゃあお疲れ様でした！」

安「はい、また明日」






この間僕は僕で公安と"安室"と組織の任務をこなしつつ、あいつとの生活も随分慣れた

データは相変わらず見つからないが確かにどこにも逃げない為位置情報を確認する回数も減り、
家に帰れば学校から戻った子供のように延々その日あった出来事を喋られ続ける煩さにも耐性が付き、
先週はハロを一緒に病院まで連れて行ったりもした


データについて風見らは未だ張り切っているが僕は半ば諦めている

たまたまキュラソーの記憶力が良かっただけで、あいつのハッキング技術は偽物じゃない

そんな人間が実態の無いデータを隠したらもう見つかりっこないだろう





「あ、おかえりー！」

ハ「アン！」

「今日ね！ハロ君と一緒に探検して来たんだよ！それでね！ほら！こんなおしゃれなカフェが近くに！」





洗面所に入って手を洗い、
扉越しに声が聞こえ続けながら着替え、
冷蔵庫を開けて夕飯の支度を始めて





「あとね！ペット用のおやつも作ってるケーキ屋さんも見つけたの！お金無かったから何も変えなかったけど、今度一緒に

降「それより学校は考えたか？」

「え、あー.......だからいいって」

降「いいって、何がそんなに嫌なんだ？そうやって毎日フラフラするより同じ年頃の友達を作ればいいだろ」





今日は作り置きしてあるおかずに、炒め物を一品だけ追加すれば事足りそうかな

にんじんに、もやしに、キャベツに






「........学校ってさ、未来ある人が行く場所だから.........」

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