TRIBEの姫

お風呂 ページ14

Aside

ジャー

あー、きもっちーなー…

久しぶりにこんなゆっくりお風呂に入ったのなぁ…

『玲於くーん？
いる？』

玲於「いるよー？」

『そっか！』


なんだろう…
こんなにあったかいお風呂に入ったのも、
みんなでテレビを見たのも
私が夢見てたことだ…

わたし、忘れてた…
もう、ママは帰ってこない。

『マ、マ…
なんで…』

玲於「…どうした？」


『ううん！
何でもないよ』

頼ったらだめなんだよ？
皆もいなくなっちゃう。

Aなんかいらないって
死んじゃえばいいって最後には皆言っちゃうんだ


『玲於くん。
お風呂上がる。』

玲於「あぁ！ごめん！」


ママ…会いたいよ…



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玲於side
ガチャ

亜嵐「おかえり！
玲於何にもしなかった？」
そんな信用ねぇーかよ！

玲於「してねーぇし！」


『…もう寝るね。
Aの部屋どこ？』

え、いきなりどうした？

龍友「あぁ、2階の右手の端っこやけど…」

『ありがとう。
おやすみ』

涼太「…お、やすみ…」

やっぱりおれなんかしたっけ？

涼太「玲於なんかしたの？」

玲於「いや？何もしてないけど…」

壱馬「様子見に行った方がいいっすか？」

玲於「じゃあ俺が行ってくるよ」





コンコンガチャ

玲於「A〜？」

え、もう寝てんじゃん
早くね？

『…スー』

まって、寝てても可愛いってどういうことだよ

Aを見ようとしてベッドサイドに座ったときにAの頬に涙の痕がついていた。


玲於「泣いたのかな…？」

『…いかないで
ひとりはこわい…』


玲於「え、起きてる？」

『…スー』

あ、寝言か…
どんな夢見てんだろ。


よく考えてみたらこいつ父親から虐待受けてたんだよな
こんなちっこいのに全部ひとりで背負って…

なんかこいつどちらかと言えば明るいし、
男ばっかりでも怖がんないし。
俺たち全然分かってあげられなかった…




隼「玲於！どうだった？！」

玲於「…あいつ、泣いてた。
俺たちあいつのこともう少し考えてやらなきゃいけねぇな」

樹「…はい！
みんなで守りましょう！」

北人「でも、あの子の父親ってどうなったんですか？」

確かに…
虐待してたから捕まるんじゃねぇーの？

亜嵐「HIROさんは何も言ってない
まぁ、嬉しがってるか…

死にものぐるいで探してるかだな…」

玲於「まじかよ…
見つかった時やべーよな？」

涼太「だね。
守り抜かなきゃ」

あいつに危害がないようにしないと…

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