裏切り者のレクイエム (ページ14)

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主人公 side

情報屋『あんたんとこのリーダーも人使いが荒いなぁ笑。…まず結論を言おう、残念だが彼女は中国《ここ》じゃなくて韓国にいる。』

『あたりはアッチか…。で、彼女は韓国のどこにいるの？』

情報屋『まぁ、そう先を急ぐなって。…彼女はイタリアと韓国のハーフだ。生まれはイタリアだが、彼女が生まれてすぐにあんたんとこのボス、つまり父親が姿を消した。だから母親の姓をずっと名乗っている。しばらくはイタリアで暮らしてたみたいだが、5～6年前に母親と韓国に移り住んで今に至る。…smエンターテインメントだ。そこに彼女はいる。』

『は？smエンターテインメントって、あの韓国の芸能プロダクション？何でそんなところにいるの、母親といるんじゃないの？』

何であの大手芸能プロダクションが突然出てくるの

全く話が掴めない

情報屋『母親は2年前に亡くなっている。どうやら、そこの事務所の社長と母親が知り合いらしく、亡くなる直前に彼女を引きとっているらしい。』

なるほど、そういうことね

『…ふーん…。ありがと、邪魔して悪かったね。』

流石、中国随一の情報屋だけあって、話もとんとん拍子に進んだ

チップをカウンターに置き店を出ようとした

情報屋『いーや、俺も暇してたから久々に話し相手がいて楽しかったぜ。…それにしてもボスの娘に探りを入れてるってことは、あんた正気か？』

ボスの娘に探りを入れる

それは組織の裏切り、または乗っ取りを意味している

バレたら即刻消される運命だ

でも

『…そんなことでいちいちビビってたらギャングなんて仕事、務まらないでしょ？それに私はとことんやる、手なんか抜いたりしない。貴方を巻き込むようなことはしないから、安心して。』

そう彼に微笑み、今度こそ店を出ようとしたが

『あ。ねぇ、最後に1つだけ聞いてもいい？』

肝心なことを聞き忘れるところだった

情報屋『お、何だ？答えれる範囲でならな。』

彼に振り向き、私はこう尋ねた

『彼女の、娘の名前は何て言うの？』

情報屋『…ハルノ。……クォン・ハルノだーーー…。』