8話 ページ8
｢双子が産まれるとき、2人が同じ部屋に入る場合と2人が別々の部屋に入る場合がある。お前たちは後者だ｣
｢部屋が違えばそこにある物が同じとは限らない。だからそれぞれ違う姿になる｣
シルバの説明には具体性がなかったが、イルミは納得した。これ以上詳しく聞いても理解力が追いつかないと思ったからだった。
また、自分だけ聞いといてAが気にしていなかったらなんだか嫌だとも思った。
イルミはまだ自覚していなかったが、彼の体の内側からじわじわとAが侵食し始めていた。無自覚なのが幸いであった。
｢ふたりともオレの子だからな。
それに、いつだって大切に思っている｣
｢おやすみ｣と言ったシルバは、イルミの頭を撫でて操縦室の方へ向かった。いつもは厳しい父親だが、その時は愛を感じた。母親から受ける愛とはまた異なるものだった。
イルミは眠気を感じて自然と目を閉じた。
イルミがシルバとともに自宅を離れた頃、Aはキキョウの部屋にいた。
寂しかったから母親の元へ訪れた訳ではなく、キキョウがAとお茶会をすると半場強制的に呼ばれたのであった。Aはこんな時間からやるのかと思ったが、キキョウが準備を進めるのでそれに従った。
その際、Aは執事にいつもの動きやすい服とは違った服に着替えさせられた。キキョウの部屋の近くにある衣装部屋には、数えるのが億劫になるほどの子供用の衣類や靴があり、その種類や素材も様々だった。
キキョウが今日の気分で服を選び、執事に指示をしてAに着せた。
最初はシンプルなワンピース程度だったがどんどんエスカレートしていき、フリルが沢山あしらわれたロリータファッションや上品な柄の着物が選ばれるようになった。
そして、今日はゴシックアンドロリータのワンピースに決まった。黒地にAの銀髪がよく映えていた。
普段の彼女とはまた違ったミステリアスな雰囲気を醸し出しており、担当した執事はその姿に釘付けになりそうだった。
Aは別にこのファッションが好きではなかったが、完成した自分を見る母親が満足げだったので何も言わなかった。
それに、このお茶会が開かれるのは決まって父親が仕事に行くときだったのもあり、自分が着飾ることで母親の寂しさを埋めることができるならそれで良かった。
Aの目の前のテーブルにはティーセット一式が置いてあった。これもキキョウの数ある中のコレクションのひとつだ。
金で縁取られたアンティークのものだった。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
