48話 ページ48
今回の執事の件はサッカーボールに神経毒を纏わせた。ボールを手にした執事の身体に毒が回って死んだというわけだ。次にカルトがボールに触れたが、毒は全て執事が吸収していたため影響を受けなかった。
凝をすれば分かったことだが、今ひとつ警戒心が足りなかったようだ。
｢ひみつ｣
Aは肯定も否定もしなかった。ただ、いたずらっ子のような笑みを浮かべてその結果に満足した。
このAの毒のオーラは、円のように広げることや自分自身に纏うこともできる。それは自分にも影響を受けることになるが、異常な程の毒の耐性がついているため出来た技だった。
また、Aのオーラは生命活動を行う生物を対象とし、武器などの物体には毒の効果を作用することは出来ない。毒の種類は様々あるが、手っ取り早く殺すことができるのが神経系のためよく使っていた。
それから、ふたりの世界では命尽きた執事の存在を無いものとした。カルトはまたボールと戯れ、Aはそれを見て微笑んでいる。
そうしていると、一頭の蝶がAの目の前を過ぎ去ろうとした。しかし、そのまま飛んでいくことはなく、途中で航空機が墜落するようにして地面に落ちた。
そして、この世界の毒の女王はそれを踏みつけて潰した。
｢A｣
数日後、仕事を終えたAは自室に向かっていたときだった。1番会いたくない人物が自分の名前を呼んだ。物陰からぬっと現れ、Aが察しないようにわざわざ気配を消して待ち構えていたようだ。禁止令を言い渡されたその日から、彼を避けるようにして会話をしていない。
｢庭にいた使用人殺しただろ｣
Aは目も合わさないで無視をするが彼は続けた。怒っている様子はなく、説教をしに来たわけでもない。眉一つ動かさず、真っ直ぐとAを見て事実だけを淡々と述べた。
｢いいんじゃない？それでお前の気が晴れるのなら｣
彼はAの行為を肯定した。自分の計画通りに行動したのだと。まるでそれが起きるのかが分かっていたのかのようだった。その異様な圧にAは下を向きそうになるが、気持ちを強く持って彼の横を通り過ぎた。
あいつに言い返したい、あいつを殺したいという黒い感情がAの中で渦を巻いた。でも、それがどうしても出来なかった。身体が心が彼に服従した。
なんて私は無力なんだと一筋の涙が頬を伝った。
あの日とはまた違った涙だった。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
