43話 ページ43
Aに対して、それが当たり前であるというようにイルミは簡潔に説明したが、実際シルバにどう言ったかは知らない。
イルミはあの一件でAが誰のものにもなって欲しくない思いと、危険な目に会わせたくない思いが雁字搦めになっていた。ぐちゃぐちゃになったそれを解こうとはせずに、無理やり太い一本にした。
そして、Aの方に非があるのならば、閉じ込めておくのが早いという結論を出したのだった。
｢イルミが決めることじゃない。そんなの嫌だから｣
そんな過程があるのも知らないAは、自身に一方的な束縛をしてくるイルミを嫌いになった。
以前は、何でも出来て何でも知っているイルミを尊敬していた。それでいて、自分のわがままに付き合ってくれるという優しさがあるのも知っていた。
頭が良くいつも冷静沈着な姿を近くで見ていると、いつしか憧れを抱いていた。
Aはそんな彼が家族として好きだった。
また、イルミが今までAのテリトリーに踏み込んだことはなかった。言い争いをして感情的になるのはいつもAだった。徐々にほとぼりが冷めると、いつの間にか仲直りをしているようなものだった。
しかし、歳を重ねるにつれ、関係を修復するのは簡単なものでは無くなっていた。
｢そう。それならせいぜい足掻いてみれば｣
イルミは吐き捨てるようにして言って、そこから立ち去った。なぜ、Aがあそこまで突っかかってくるのか分からなかった。彼にとってはただ不毛な会話をしただけだった。
そして、縛りを課されるのに不満を持ったAは頼れる人を探した。その人物はAの味方をしてくれて、且つシルバと同等の力を持っていることが条件だ。
まず、自分と友好な関係であるキキョウとミルキが挙がった。しかし、キキョウはシルバに意見することが出来ないだろうし、ミルキは強い方に付くだろうから味方にはならない。
ゴトーも考えたが、雇用主と使用人の関係では絶対に無理だ。それでも1人だけ条件を満たす者がいた。
ゼノである。
｢ワシが掛け合ってみるがどうなるかは分からんぞ｣
Aは最後の頼みの綱と縋るようにゼノのところに行くと、ゼノは二つ返事で引き受けてくれた。
これにより、シルバとゼノのふたりによる話し合いで、Aの私用の外出も許可することとなった。
しかしながら、私用で外出するときには見張りを同行させるという条件がついた。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
