24話 ページ24
ゴトーは厳しくもなければ褒めることも無かった。
出来なければ出来るまでやるだけ。終わったら次またその次と淡々と冷徹に進めた。ゾルディック家に仕える者としてAに教育することはこの家のために奉仕するのと同じであった。
Aが練をマスターし発に移行するころ、念能力は主に6つの系統に分類されることを教わった。
能力者がどの系統に属するかは生まれもった才能や本人の願望、置かれた環境などで決まるという。
自分の系統を知るのは簡単ということで、ゴトーがグラスと水、木の葉を1枚持ってきた。そして、グラスになみなみと水を注ぎその上に木の葉を浮かべる。この後の葉や水の変化によって自系統が判明する。
｢グラスに手をかざして練をおこなって下さい｣
｢こう？｣
Aはグラスを囲むように両手をかざし練をした。Aはどの系統に属するかどきどきした。特に希望は無かったのでどれでもよかったが、この儀式めいた行為に胸が高鳴った。
しかし、練をしてから葉や水に変化はない。
ぴたりとも動かず不安になってゴトーに上目を使った。すると、ゴトーは平然として躊躇いもなく水に指を入れそれを舐めた。
｢A様は変化系でございますね｣
変化系は水の味が変化する。試しにAも舐めてみたところ通常の水よりも甘く感じた。変化系の能力としてはオーラを別の性質に変えることが一番得意だと知った。
また、イルミは何系かと聞けば操作系だという。操作系は葉が動くとのことなのでイルミの練も見てみたいと思った。
｢ゴトーの見たいな｣
自分のが分かった途端に他人のことが気になりはじめるのは人間の性だろうか。
Aはゴトーは何系なのか気になり質問したが教えてもらえなかった。相手に簡単に自分の能力を明かしては駄目だという理由でやらないという。
しかし、Aは｢誰にも言わないからお願い｣となかなか食い下がらない。両手でジャケットがシワになりそうなほど掴んで離さないAに対してゴトーは折れた。
｢ではコインで決めましょう｣
スーツから1枚コインを出して言った。これはコインをひとつ指で弾いて、それをどっちの手でキャッチしたかを当てるゲームだ。これはゴトーの得意のゲームで前から暇つぶし程度に遊んだことがあったがAは一度も当てたことは無かった。
親指で弾かれたコインは高く上がった。回転がかかり部屋の照明との反射でキラキラと光る。
｢さあどっち｣
コインの在処は本人のみぞ知る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
