3話 ページ3
ふたりとも基本の暗殺技術はシルバから学んだ。仕事に同行し、見て盗めというのがシルバのやり方だった。
しばらくして、イルミの方がどんどん技を習得していった。そんなAは着いていくのに必死だった。
イルミはAは殺しに向いてないと思っていた。しかし、それでも彼女は自分と同じ階段を登ってきていた。それを、どうしてそんなに一生懸命になるのかを不思議に思っていた。
AはAで負けたくない気持ちがあった。出来るのは努力することだけだった。
たまに、見かねたイルミがAに教えてくれることもあった。そのおかげで、ひとつひとつだが自分のものにしていった。
そのような事もあり、Aはイルミがこの家の後継者になるのだと子どもながらに思った。
「まだやるの」
イルミは呆れたように言った。表情は変わらないが声色が普段と違った。その中には少し苛立ちがあるようだった。
ふたりはシルバから与えられたメニューをもとに訓練をしていた。そのメニューの中には、体力作りと持久力の強化を目的とした追いかけっこがあった。
すでに指示されていた回数は優に超え、何回目かもわからなくなっていた。この後、特になにも予定がなかったイルミはAに誘われて付き合っていた。
この頃のふたりには習得に差があっても、体格やスピードには差がなかった。
「最後の1回だから」
イルミはAが何時間も練習するのは知っていた。
また、出来ることを何回もするのは、ただの気まぐれでしかないのも最近知った。
イルミはこれまでにも何度か、メニューを終わらせたあとに追加でAに付き合ってくれていた。
一方、Aはイルミがだんだんとイライラしていくラインが分かるようになっていた。
普段の表情が分かりずらいからこそ、イルミから感情が漏れ出てくるのが面白かった。
「じゃあやるよ」
「うん」
ルールは捕まったら終了。ひとりが逃げてから10秒後にもうひとりがスタートする。制限時間は3分間。
「スタート」
最後の1回はAが逃げる側になった。
敷地内といっても周りは森で草木が生い茂っている。それらを利用しながら走っていく。
Aはイルミから逃げ切ったことはなかった。どの道に行くかを考えて選ぶ間に、時間を取ってしまうのだろう。
また、イルミもAから逃げ切ったことなかった。
それもあるのだろう。ここまで続けていたのは、ふたりとも次は捕まらないと、ムキになっていたからかもしれない。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています!これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます!おかか様! (10月8日 9時) (レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです! (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです!続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです!頑張ります!更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかか | 作成日時:2022年1月23日 14時