6話 ページ6
海辺から割と近い高層ビルがひしめく地帯に、一部の財界人や政治家が御用達のホテルがあった。
そのホテル中には、会員制のクラブやBAR、カジノ、屋外プールなど多数の施設が併設されていた。
いわゆる、一泊何十万ジェニーする高級ホテルであり、毎晩多くの人と金が動いていた。
今夜、そのホテルの宴会場で、とある国の政治家が主催のパーティーが開かれていた。
盛大に開催されていたこのパーティーは、表向きは党員同士これまでの活動を労うものであるが、裏では次の選挙戦で自身に票を集めることを目的としていた。
そして今回、その政治家の暗殺依頼がシルバにきた。
依頼人はその党のNo.2で、次の選挙で自分が党の代表になるために殺してくれとのことだった。
この体の依頼はこれまでに何度もあり、大抵容疑者不明の事件として次の日のニュースになった。請け負う理由は、ゾルディック家に依頼できるくらい金払いがいいからだけだった。
シルバにとって、念の使い手でもないターゲットを殺すのは何でもないことだ。複製したホテルのルームキーを使って侵入し、ターゲットが酒を呑んでひとり部屋に戻ったところを狙った。
男はシルバの姿を見るまでもなく、自分が殺されたとも分からないうちに死んでいった。
そして、依頼人からの入金を確認したあと、ここにいる意味は無くなった。
｢イルミ、行くぞ｣
｢うん｣
イルミは呻き声もあげずに倒れた男を見て、一流の暗殺技術を持つ父親を尊敬した。
イルミはシルバの仕事に同行していた。前日に父親から誘いを受け、数時間前に自家用の航空機に乗って来た。
今回は特に役割はなかったが、久しぶりに父親とふたりきりで過ごせるのを楽しみに思っていた。
シルバがイルミを連れてきたのは、今の息子のレベルがどれくらいであるのか知るためだった。殺しにおいての気配の消し方や、歩き方の基本が出来ているかを見ていた。
イルミはそれらをほぼ完璧に習得してきた頃だったため、そろそろ単独での任務も考えていたところだった。
その夜、高層階の窓から見るネオンライトに照らされた街並みは欲にまみれていた。もうすぐ日付が変わるというのにどこもかしこも光で溢れていた。
よく夜景を宝石や金などに例えるが、イルミはこの夜景を命だと思った。
｢新しい命が生まれる度にまた新たな欲が生まれる。この命は殺したいほど強く輝き、絶えることを知らない。これら憎悪の上にオレたちの仕事が成り立つ｣と。
またひとつ光が消えた。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
