14話 ページ14
その部屋は白い壁紙と床が特徴的だった。
常に清潔に保たれており明るかった。物はあまり置いていなく、これもまた白の机と椅子が何脚かあった。
また、その机の上にはゲージと救急箱が置いてあった。
銀色の小型ゲージには実験用マウスが飼育されていた。白い体毛と赤い目、長いしっぽが特徴的なこのマウスはハツカネズミ種だ。
今ゲージの中にいたのは3匹だけだった。興奮した様子もなく自由に動き回っていた。また、どこにも異常は見つからず至って健康のようだった。
救急箱にはガーゼや医療用テープ、消毒液など至って普通の物が入っていた。しかし、他には一般家庭には必要のない未開封のシリンジと針、毒薬が入ったガラスアンプルなども丁寧にしまわれていた。
無菌的な操作をするための手袋やマスクなども常備していた。どこかの研究室みたいな部屋だった。
｢ちょっと動かないでね｣
Aは優しく宥めるように話しかけた。ゲージから1匹選んで取り出した。手のひらに収まるサイズのマウスは扱いやすかった。これから何をされるか分からないこの小さな動物は、抵抗するはずもなく体に印を付けられた。
手袋をして準備に取り掛かる。
まずシリンジと針を袋から取り出し、注射器をセッティングする。次にアンプルの先を割り、割れた口に針を入れた。
それから、針が斜めになるようにして毒薬を最後まで吸い上げた。指で弾いて注射器の中の空気を全て抜けさせる。針の先から液体が出てくるのを確認し、対象のマウスを固定する。
そして、決められた量の毒薬を投与した。
｢はーい。頑張ってね｣
Aは毒について研究、実験をしていた。
出血毒や神経毒、筋肉毒などの既存の毒や独自に調合した毒をマウスに投与し、どのように作用するのかを観察していた。
これまでに行った実験では、臓器の変性や全身の組織損傷を引き起こしたり、神経系の損傷により下半身不随になったりした例があった。多くの場合、非常に痛みを伴って後遺症を残した。より重篤な場合には死に至った。
また、それらに対応できる解毒剤も作るようになった。たまに自分自身で実験することがあり、自分の体に開発途中の毒薬を投与してその効果を確かめたこともあった。解毒剤を作ることが1番危険で1番難しかった。
ひとつ間違えばそれが命取りになるほど危険な作業だったが、Aの手つきは慣れたものだった。
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マニ。(プロフ) - 連載の方とかの新しい作品とか待っています！これからもボードの方でも仲良く、ファンとして遠くから応援してます！おかか様！ (10月8日 9時) (
レス) id: e240ea4865 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 千凪さん» ありがとうございます。嬉しいです！ (2022年3月10日 14時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
千凪(プロフ) - すごく面白いです！続きがとても楽しみです (2022年3月9日 7時) (レス) id: 129c41ba6d (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - リトさん» コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです！頑張ります！更新は遅いですが今後も読んでもらえたら幸いです。 (2022年2月28日 21時) (レス) id: 9b9f4760f3 (このIDを非表示/違反報告)
リト - とても面白かったです!お話作るのが上手で尊敬してます。無理をせず更新頑張ってください。いつでも待ってます。 (2022年2月25日 2時) (レス) @page29 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2022年1月23日 14時
