拾-5 ページ47
*
「……んで、なぁんで俺のトコ来るんですかねェ」
「だってぇ!ヤシロが拐われてから2時間くらい経つのに、3番の境界に行けないんだよ!!」
「なんとか3番の人の境界に入れてもらおうと思って、3人で土下座したり脅したりしてみたんだけど……」
「お願いします蜘蛛野郎!」
「先生」
「蜘蛛野郎先生!!」
そう、僕が提案したことこそ、鏡に頼み込んでなんとか境界に入れてもらおう作戦だった。
結果?聞かないでよ、泣いちゃうだろ。
僕はヨーグルトメンタルで生きてきたんだぞ、ナメるなよ。
大抵の嫌なことからは逃げてみせる。
「あのなァ」
「つちごもりさ」
「ヤシロが怪我してたりしたら困る
……俺の助手なのに
教えてよ、土籠……ダメ?」
僕の言葉を遮るように花子くんが土籠さんに訴える。
僕も!僕も寧々のこと心配っっ!!
……とは言い難い空気です。はい。
きっと土籠さんは、自分の生徒である花子くんに弱い。
「まァ……知らんことはありませんけどね」
だって、花子くんがちょっと弱い所を見せただけで、こんなにも簡単に折れてしまうのだから。
チラ、と土籠さんが目線を向けた先には 狐の姿ですやすやと眠っているヤコさん。
そして土籠さんはそれを……投げたぁっ!?
ホームランです!
これは逆転勝利か〜〜っ!?!?
花咲夢乃、ご乱心。
「ん?」
「2番?何で?」
「まあ聞け。
七不思議の境界はそれぞれ、学園内の様々なものを管理する役割がある。
俺の書庫は記録、時計守は時間。
そして2番は空間。
そいつの境界を通れば、学園内から大抵の場所にゃ行けますよ」
「なっ!」
「……それって、3番の境界にも行けるってコト?」
「まァね」
な、なるほど〜!
流石土籠さん、長年先生やつてるだけある。
僕はすんなり納得したが、どうやら光はまだ何か納得がいかないらしい。
声を荒らげて土籠さんに反論した。
───
お久しぶりです。
それだけです。
花咲夢乃、テンションどうした
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ