捌-3 ページ5
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2人の後をこっそり着いて走って数分。
階段の影に隠れて2人のことを観察していた。
どうしても、2人のことが気にかかって思わず抜け出してきてしまった……土下座の準備でもしておこうかな。
べっ、別にミツバがひたすら暴言叫び散らかしてるからやることが無いわけじゃないんだからねっ!!
……なんて1人でボケとツッコミを両立し始めて20分……やっと疲れたらしいミツバは息を荒くさせていた。
「ミツバも光も元気だよなぁ……」
生きてたら60歳の僕にはとてもじゃないけど着いて行けません……
「俺の名前は源光!由緒正しき払い屋の次男だ!」
「払い屋……?
うわ、アニメの見すぎかよ……怖っ……」
光の自信満々な自己紹介に引き気味……というか思いっきり引いているミツバ。
後ろ姿でわかるのは、光がキレていることくらいです。
「で、自称払い屋(笑)のクソダサ交通ピアスくんが僕に何の用?」
「光だ!」
「……クソダサ変態交通ピアス」
「てめぇマジで消滅させんぞ!」
「乱暴しないで?」
「5秒以内に未練とてめぇの名前を話せ、さもなきゃこのまま消す」
「ギャーーッごめんなさいごめんなさい!!」
煽りに煽って光にキレられ、退魔具をかまえられたミツバ。
2人のやり取りがあまりにも楽しそうで、思わず笑い声が漏れた。
「?誰かいるのか?」
「…………」
「……?」
あ、危ない危ない……
少年達の青春を邪魔していい人は居ないよね!
「名前は?」
「…………ミツバ」
「年は?」
「……」
「学年」
「…………」
「未練は」
「………………」
「あーーっやめて、写真!写真ですぅぅう!!!」
「写真?」
光が見ていないタイミングでだけ煽り続けるミツバと、某生徒会長に似た怒り顔を披露する光をただ影から見てる僕。
もしかしたらここがM-1の会場かもしれない……笑いそうで無理。
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