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玖-15 ページ28





「てことはさー、君も俺も そのミライを捕まえたいってことだよね。
それじゃここはキョーリョクして、一緒にその子を捕まえようよ、ネ」







蒼井に片手をさしのべてニコッと笑う花子くん。



嫌そうな目でその手を凝視する蒼井に何を思ったのか 寧々が声をあげた。







「ちょっといい?
さっきから気になってたんだけど……
茜くんって……怪異のこと嫌いなの?」



「……そんなこと、当たり前でしょ。
大っ嫌いだよ!
僕からすると……逆に八尋さんがソイツらと仲良くしてることが疑問だよね。

さっきソイツがアオちゃんに何したか、八尋さん 聞いたでしょ?
よく平気でいられるよね〜。

アオちゃんと君って親友同士じゃないっけ?」







なんの悪びれもなく次々に言葉を浴びせる蒼井。



僕だって半分は怪異に染まってる訳だから、多少は傷つく。



勿論自分の存在を否定されてる気分になる、って言うのもあるけど、なんでか花子くんが悪く言われてるのを聞くのは好きじゃない。








「でも、花子くんは悪い子じゃないのよ。
確かにちょっと下_劣だけど……葵のことだって考えがあっての事で……きっと本気で傷つける気なんて……」



「ああ、下_劣なのは間違いないっす」



「まあ……下_劣な部類に入るだろうね?」



「ネー、下劣って言うのやめない?」



「悪い子じゃない?考えがあって?へー……
でもそいつさぁ」







そこまで言って、花子くんの腕を掴む蒼井。







「人殺しなんだよね?



他2人の時計守もそうなんだけどさ、怪異ってやつはみーんな分かってないんだよね。

生きているってただそれだけのことが、どんなに大切なことなのか。
人の命っていうものが、どんなに尊いものなのか」



「放し……」



「改心した悪役って本当ムカつくよ。
今はいい子だったら何?昔のことは帳消しって?
……笑える。



いい?これからお前がどんないいことをして誰を助けたとしても、お前がやった事は取り戻せないよ、永遠にね。

だって人は死んだら生き返らないから」







花子くんに顔を近づけてそう言いきった蒼井は、そのままぱっと手を離した。



手袋を手にはめ直した蒼井は言葉を続けた。







「でも、安心して。
僕もさっさとミライを捕まえたいからね、協力してくれるってなら大歓迎。
たとえ人殺しだろうとね。



よろしく、7番様」

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作者名:弥夜月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年4月5日 12時

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