玖-3 ページ16
*
皆さんこんにちは、時を思いのままにできるのなら過去にも未来にも行ってみたい、花咲夢乃です。
学園で起こっている騒動を何とかするべく、七不思議の長である花子くんについて行くこと約数分……一向に境界に辿り着きません!ワオ!
「それで、花子!」
「その怪異は何処にいるの!?」
「んー……分かんない!」
……とまあ、花子くんが思わぬ爆弾発言をした訳ですが。
室内のはずなのに優雅に宙に浮く普通の蝶々が目の前を横切る。
「…………え?」
「だから分かんない」
「お前七不思議のリーダーなんじゃねぇのかよ!?」
聞き間違いでないことを理解した光は、花子くんの首を退魔具と自身の腕で締め上げた。
「やー、1番って守り人だからかちょっとカタいとこあってさー。
あれは忘れもしない初顔合わせの時……」
初顔合わせの時……?
あ、そういえば花子くんが怪異らしからぬ発言(?)をしてた気がする。
その後に僕に八つ当たりされたのは忘れてないからね。
「……って言ったら二度と会ってくれなくなった。
境界の場所も教えたくないって」
僕の記憶の通りに花子くんの発言によって完全に警戒されてしまったらしい。
光と花子くんが、何ともアホらしい会話を繰り広げる横で 寧々は呆れたような顔をしていた。
ここまで付き合ってきてるから分かってるとは思うけど、花子くんの言葉の7割は本気にして聞き入れたらダメだからね、もし寧々まで向こう側に堕ちたら僕自 さつするからね。
「じゃあ……花子くんも私達と同じで、1番目の七不思議については何も知らないの?」
「うん」
「最低な役立たずだ……」
「夢乃だけここに置いてこっか」
「洒落にならないんだなそれは」
ごめんの意を示そうと手刀を切った。
包丁をチラつかせてきたので土下座した。
1悶着あったところで、花子くんがふと思い出したような声を上げた。
「あっ、でも 1個だけ聞いたことがあるかな。
3人の時計守のうち真ん中の1人……
現在を司る2人目の守人は、この学園に生徒として紛れ込んでいるらしい」
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ