俺らのマネが美しすぎる 2nd 【青城】

花巻貴大 ページ27

「やー疲れたね」

花巻「んなー。体バッキバキだわ」

「ふは、それな〜」


笑いながら帰り道を歩く2人。「そう言えば」とふとAが立ち止まって口を開いた。花巻も同じように立ち止まり首を傾げる。


「この前、貴大が"私が誰かと付き合うのは嫌だ。バレー部みんなのものだから"的なこと言ってたよね。まあ私も今は誰とも付き合う気ないとか言っちゃったけど」

花巻「あーーーー忘れてくんね？恥ずかしいわ」


罰が悪そうに頭を掻く花巻に「やだね」と舌を出して笑うA。


「だって、その言葉守れそうにないから」


ふふ、と笑うAに「え」と目をまん丸にする花巻。依然として、Aは可愛らしく笑っていた。



「私、好きな人出来ちゃった」

花巻「いやー！！！！聞きたくなーい！！！！」


耳を抑えてその場に蹲る高３男子。(高身長)
「まじ？」と言いながら顔だけ上げて上目遣いでAを見つめる花巻。


「うん、まじ」

そんな花巻と目線を合わせながら向かい合うようにしゃがみ込むA。高校生の男女が道端にしゃがみ込んでいるなんてはたから見たら異様だろう。



花巻「クッソ〜〜〜まじかよ」

「ふふ、私のことそんなに好き？」


試すような、全てを見透かすような瞳で花巻を見つめるAに「、ぐ…」と顔を赤くして言葉を詰まらせる花巻。


花巻「……好きだよ、ずっと、1年の頃から好きだった。まじで。」

「あはは、知ってた」

花巻「……はっっず……」



しゃがみ込んだまま弱々しい声を出して顔を腕の中に埋める花巻。耳まで真っ赤にして。


そんな花巻を、Aは依然楽しそうに見つめた。

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