＿弱くて儚くて ページ29
深澤side
しばらく、沈黙の時間が続いて。
深澤｢ ……ごめん、聞くつもりはなかった。｣
『 ……別にもういい。』
深澤｢ いや、俺全然知らなくて。その、彼氏いた事とか。｣
『 言ってないもん。』
深澤｢ …まぁ、そうだけど。｣
肝心の言葉が、喉につっかえて出てこない。
そのたつやさんと、今。
どういう関係なのか、どう思っているのか。
深澤｢ 全然関係なかったらそれでいいし、言いたくなかったらなんも聞かないけどさ、｣
『 ……、』
深澤｢ 俺を振ったことと、そのたつやさんってなんか関係ある？｣
『 …。』
深澤｢ いや、その変な意味じゃなくて。なんていうか、そうだとしたら納得いくというか。｣
目の前にいるAは
俯いたまま、またクッションを抱きしめていた。
やっぱり、聞くべきではない話なのか。
『 ……、ある。』
深澤｢ ……え？｣
『 …関係、ある。』
小さく小さく、絞り出すように聞こえたAの声。
深澤｢ ……そっか。｣
『 ……、』
深澤｢ 今は付き合ってないの？…その、大学から付き合って同棲もしてたって。。これは玲香ちゃんから聞いた話なんだけど。｣
『 ……、分かんない、』
深澤｢ え？｣
『 ……っ、もう、付き合ってないけど、』
深澤｢ けど…？｣
『 別れて…っ、ない、』
深澤｢ ……え？｣
ぼろぼろ、大粒の涙をこぼし始めたA、
その涙を拭ってあげたいけど、
自分の頭も混乱してて。
付き合ってないけど、別れてない？
自然消滅？それかまだたつやさんのことが好き？
『 ……っ、ごめ、ん、』
深澤｢ …なんでAが謝んの。｣
『 …振り回して…っ、ごめん、』
深澤｢ 俺を？別になんも思ってねぇよ？｣
ひっく、ひっく、と喉を詰まらせながら泣いてるAの横に移動してそっと背中に手を当てた。
『 ……っ、やっぱり、だめだ。』
深澤｢ 何がダメ？｣
『 …っ、…ふっかといると、…っふっかが、』
深澤｢ ん、落ち着いて。苦しくなるから、ゆっくりでいいよ。｣
過呼吸にもなりかねないぐらい息を詰めて話すから、慌てて大きく背中をさする。
『 ……っ、ふっかが優しすぎるから、』
必死に言葉を紡ぐAの姿は、
いつもより小さくて、儚くて、弱くて、消えてしまうしんじゃないかって、胸騒ぎがした。
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あ - こんにちは。前回も楽しく読ませて頂き、また読みたいと戻ってきました🥺続編があったと思うのですが消してしまったのですか？とても素敵で大好きだったのでまた読みたいです😢❤︎ (7月15日 4時) (
レス) id: a40e2e0828 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - ぽむりんさん、こんばんは！もう新年度ですね☺️ぽむりんさんはいかがお過ごしでしょうか、、本当にぽむりんさんのお話が恋しくて何度も読み返しさせて頂いてます🫣笑 今日もこれからもぽむりんさんが幸せに過ごせますように😭💞 (2023年4月5日 23時) (レス) id: 9460f6545a (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 一気に読みましたが、読んでくうちに涙がぼろぼろ出てきて感動しました。素敵な作品を書いてくださりありがとうございました。 (2023年1月8日 9時) (レス) @page45 id: 9190d456fa (このIDを非表示/違反報告)
mil(プロフ) - 感情輸入して泣きました。まじ超大作です。いい作品に出会えてよかったです。 (2022年11月18日 6時) (レス) @page45 id: 5c38ee4561 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 久しぶりにぽむりんさんの小説を読みました。もう番外編を見れないと思うとすごく悲しいです。ふとした時でいいので戻ってきて欲しいなと思う時があります。苦しくて切なくてでも幸せでそんな小説がまた読めたらなと思っています。ありがとう。 (2022年10月15日 12時) (レス) @page45 id: 4114007d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむりん
| 作成日時：2021年3月26日 23時
