ずっと、愛してる。【うらたぬき】

行き方は？ ページ6

『どこ行くんだ？決まってんのかｰ?』





『うん。決まってるよ。』






『どこだ？』






『動物園･･････』






『･･････は？』






『何その目、何かおかしいの？！』







『いや別に･･･』






怪しいなんて言う橘。本当にこいつがあの世にいっちまうなんて、何回考えても有り得ねぇよ。だって実際いつもと変わらねぇし元気だし。






てゆーか、なんで真冬に動物園なんだよ、考えても動物いねぇーだろ。凍え死ぬだろーよ！本当に橘って抜けてるよな。普通の高校生になりたいとかお嬢様にしてはちいせぇ目標だよな。どんだけ、普通の毎日に憧れてたんだが･･･これだから金持ちは。






『別にいいけど、ここから動物園まで結構な距離じゃない？』






俺らが住んでるところ意外と田舎な方だからな。校舎は広いけどな。







『それは、タクシーで！』







『俺のお金が無くなるわ！』








『え？そしたら飛行機とかは？』







『却下。』







『即答に却下!!』








『この金持ちが･･･』








『なんですって！！』







内心めんどくさいと思ったのは秘密にしよう。やっぱりお嬢とは価値観がズレているよりまず飛行機とか出てくるのがアホすぎる。どんな教育受けてんだよこいつの家。金持ちすぎて、一般人元いい庶民には一生縁のないお話である。






動物園ってぜってぇ凍え死ぬだろうな。でも、橘のお願いだし、しょうがねーよな。いつ死ぬか分からねぇからな。







『今、物騒なこと考えていたでしょ』







ジロリとこちらを睨む橘。なんでもお見通しだなこいつには。叶いっこねーな。







『考えてねーし。つか、早く学校でないと担任に見つかるって』







部活がない生徒はこの学校では速やかに帰る義務があり担任に見つかると面倒なので、無意識に彼女の手を握りながら､生徒玄関に向かった。

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