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極寒の真冬の中
そして、暴風に暴雪
なんでこんな日に、動物園なんだよ……水族館の方がまだマシだよな。
バス停で橘を待っていた。特にこれといった持ち物はなく、携帯に財布、バスの定期券位で済ませた。あとは、暖かい服装。
バス停で待つこと10分。バスが到着すると共に橘がものすごい顔で走ってきた。雪が積もってるのによくあんない俊敏な動きで来てるのが逆に気持ち悪い。そしてあれが、亡くなる人の動きでは無い。ものすごく、気持ちが悪い。
『いや、そんな顔しないでよ浦田くん。さぁ乗るよ。』
いつの間にか、隣に並んでいた橘が先にバスに乗っていた。改札券を受け取り二人が座れる場所に座った。窓側が橘で通路側が俺である。
女子と至近距離で一緒に座るのは抵抗ないかって?別に、橘は特にこれといった恋愛感情を抱いてる訳でもないからドキドキなんて今更すんわけないんですよね。
他の女子とはまず、喋るのが面倒臭い。
『浦田くん、これあげる。』
橘から貰ったのは、緑のくまのキーホルダー。いや、なんで今渡すのよ。
『あ? なにこれ。緑って……』
『珍しい色のクマの色でしょ!浦田くんにぴったりだと思って!』
『お前、センスねぇよな。大体こんなクマいたら引くわ!』
『何ですって!せっかく貴方が入学当初に緑色が好きって言ってたのを思い出して私が買ってあげたプレゼントなのに酷いですわ!』
『あーもう! 鼻かゆいけど気にすんなよ。』
『どーぞ、ご勝手に』
はぁー!何それ、どんだけ前のこと覚えてんだよこいつ。
今の浦田氏の状態はトキメキもしない女子に入学当初の何気ない言葉を覚えていてくれたのがあまりにも嬉しくて思わず恥ずかしくなり顔を背けた状態である。
『って、わぁ! 浦田くん見てー外がすっごい真っ白で凄い』
『ごっほん』
後ろの席のおじいさんが咳払いをした。
『『スっすみません……』』
バスで大声を出した高校生とてつもなく、恥ずかしい。
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Noel(プロフ) - えりさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります! (2019年9月26日 23時) (レス) id: cc016ee97e (このIDを非表示/違反報告)
Noel(プロフ) - うるさん» ミナコイのNoelだよ〜笑笑┏(<:)アザマス (2019年9月26日 23時) (レス) id: cc016ee97e (このIDを非表示/違反報告)
うる - 面白いそうなタイトル〜って思ったら作者さんに見覚えが…更新頑張ってください! (2019年9月26日 21時) (レス) id: 80ab37ec91 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - すごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2019年9月26日 21時) (レス) id: 47a3744589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Noel | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/urtnk/
作成日時:2019年9月26日 18時